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毒舌パドック裏話 F1アブダビGP編:リカルドだってたまにはキレる「あの***野郎!」

2017年12月04日 13:21  AUTOSPORT web

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F1アブダビGP ダニエル・リカルド
ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。アブダビGP編です。

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 2017年最後のレースは、今季最悪のレースでもあった。あるいは、ここ数年間で最悪だったかもしれない。
 現代的なサーキットの多くは、ゴージャスな施設やナイトレース用の照明のようなギミックばかりに熱心で、ドライバーにオーバーテイクがしやすい場所を与えるのを忘れている。アブダビでは、その事実があらためて浮き彫りになったのだ。

 その責任の一端がクルマにもあることは、論をまたない。さらに言えば、それはコース上でのオーバーテイクが難しくなるようなクルマを作らせている、不可解なレギュレーションのせいだ。

 しかし、その方面では良い知らせもある。アブダビで土曜日にロス・ブラウンと話をしたところ、彼は「次の新レギュレーションでは、クルマ同士の接近戦を可能にすることを最優先項目のひとつにする」と明言した。ただ、ロス自身も認めていたが、この問題を短期的に解決するのは難しそうだ。

 アブダビのパドックの雰囲気は、やや気の抜けた感じを否めなかった。選手権タイトルの行方はすでに決まっていて、パドックにいる誰もが全20戦の長すぎるシーズンを経て、クタクタに疲れ切っていたからだ。


 それでも、木曜の定例記者会見に集まったルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルドの3人は上機嫌だった。ルイスが、シーズン中のコース上でのオーバーテイクについてセブをからかうと、さらにダニエルはこう発言して笑いを取った。「何しろ、ここにいる3人を合わせると、全部で8回も世界選手権タイトルを獲得しているからね!」(言うまでもなく、リカルドは一度もタイトルを獲っていない)。

 また、プラクティス中にロマン・グロージャンにブロックされたリカルドは、その憤懣をこんな無線交信でチームに伝えていた。

エンジニア「オーケー、こっちも見ていた。グロージャンに妨害されたね」

リカルド「いいや、彼に落ち度はなかった。全然邪魔なんかされていないよ」

エンジニア「えっと、もしかして、皮肉で言ってる?」

リカルド「そうさ、あの***野郎!」

エンジニア「了解」

続きはF1速報WEBで掲載中!

■アルファロメオ・ザウバーのニュースにちょっと一言
 選手権シーズンは日曜日に終わったが、私たちの仕事はまだ終わらなかった。翌週にアブダビで2日間の居残りテストがあったからだ……。
■不評の新F1ロゴだが
 F1の新しいロゴについて、どうお考えだろうか。いや、わざわざ返事をいただくには及ばない。読者のみなさんがどんな印象を抱くかは、私がこれから言わんとすることにはあまり関係ないからだ……
■マッサは死なず
 フェリペ・マッサの第2回送別会もあった。2016年のアブダビと同様に、今年もウイリアムズは土曜の夜にチームのホスピタリティに大勢のゲストを迎えて、このF1で最も愛されたドライバーのひとりにお別れを言う機会を設けてくれたのだ……
■ペレス混乱
 シーズンを通じて、ドライバーとピットウォールの間の無線交信には、笑えるものがたくさんあった。しかし、私が推す今季最高の傑作は、アブダビで日曜のレース中に聞かれた会話だ……