12月3日、香港市街地で開催されたFIAフォーミュラE選手権第2戦香港ePrixはダニエル・アプト(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)の逆転勝利で幕を閉じたが、レース後の再車検において車両違反が発覚、アプトがレース除外処分となった。これにより2位でチェッカーを受けたフェリックス・ローゼンクビスト(マヒンドラ・レーシング)が自身2度目の優勝を飾っている。
3日に25歳の誕生日を迎えたアプト。前日に行われた開幕戦では予選4番手から決勝は堅実な走りで5位入賞を果たし、迎えた第2戦でも公式予選で5番手グリッドを獲得。
先行者のグリッド降格ペナルティなどで3番手からのスタートとなった決勝レースは、序盤から2番手につけて虎視眈々と首位の座を狙い、フィニッシュまで残り2周となったタイミングで首位を走るエドアルド・モルタラ(ベンチュリ・フォーミュラEチーム)がスピンを喫した間隙を縫って自身初のトップチェッカー。うれしいバースデーウインを飾った。
しかし、そんな波乱の展開となった決勝レース終了後、車両検査の場でアプトの車両に取り付けられているインバーターおよびモータージェネレーターユニット(MGU)のバーコード番号とテクニカルパスポートに記載されている番号が合致しないことが判明。
アウディによれば当該パーツは本来装着されるべき部品と同一でありホモロゲーションにも対応するものであったというが、レースを統括するFIA国際自動車連盟はアプトの優勝を撤回しレースリザルトから除外することを決定した。チームはこれに対し異議申し立てを行っている。
この結果、暫定ではあるが第2戦の決勝レースでアプトの後方、2位でフィニッシュしたローゼンクビストが繰り上がりでの優勝を飾ることとなり、モルタラが2位、ミッチ・エバンス(パナソニック・ジャガー・レーシング)が3位となっている。
「ダニエル(・アプト)は第1戦と第2戦、両日ともにすばらしい成績を収め、この勝利は絶対に価値があるものだ」と語るのはアウディスポーツ・アプト・シェフラーの代表を務めるアラン・マクニッシュ。
「今回の事態は明らかに単純な管理ミスであり、(部品番号が違ったことで)アドバンテージを得ることはなかったと考えている。我々はこの件についてFIAにアピールを行なったが、それはすべての詳細を明確にする機会を欲しているためなんだ」
同チームの失格処分は前身のアウディスポーツ・アプト、アプト・シェフラー・アウディスポーツ時代を含め今回が3度目。過去の2度の処分はいずれもルーカス・ディ・グラッシに対してのもので、1回目は2014/15年シーズン第8戦ベルリンePrixの優勝後。2回目は2015/16年シーズン第5戦メキシコePrix、こちらも優勝決定後に失格処分となっている。
なお、それぞれの原因は1度目が補強されたフロントウイングを使用したことによるテクニカルレギュレーション違反。2度目はレース後の最低重量違反だった。