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ファンも満足の琢磨凱旋ラン。ホンダサンクスデーは忘れられない一日に

2017年12月03日 21:42  AUTOSPORT web

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初来日したボルグワーナートロフィーと笑顔で記念撮影をする佐藤琢磨
2017年のホンダレーシングサンクスデーは佐藤琢磨にとっても、また琢磨を応援し続けたファンにとっても忘れられない一日になっただろう。

 毎年このサンクスデーには参加している琢磨は、インディ500日本人初制覇となった今年のホンダサンクスデーでは、優勝したマシンでのデモランが実現し、2010年以来7年ぶりとなるインディカーによるオーバル走行が行われた。

 前日の土曜日にアメリカから来たアンドレッティ・オートスポートとHPDのスタッフとともに、テスト走行を実施。30分間わずか10周にも満たない時間ではあったが、カーナンバー26のマシンに久々に乗った琢磨は、もてぎでの走行を懐かしむようにマシンを走らせた。


「アンドレッティのスーツで、アンドレッティのマシンに乗って、こうして走れるのはうれしいですね。いろんなことを思い出します」と琢磨は微笑む。

「マシンがスーパースピードウェイの仕様でダウンフォースも足りなくて、気温も低かったのでレーシングスピードでは走れなかったけど、またもてぎで走れてうれしい」とコメント。

 今日のデモンストレーションランでは、スピードを上げられるように少しセッティングしたといい、コースを周回した後にトークを行った後、さらにもう一度マシンに乗り込むと最後に満員のグランドスタンドの前でドーナツターンを披露するとファンは大喜びだった。




■琢磨と共にインディ500優勝トロフィーも初来日
 またこのサンクスデイを特別にしたのは、アメリカからのボルグワーナートロフィーの来日である。初めてアメリカ国外に出たというボルグワーナートロフィーが、もてぎのピットに終日飾られ琢磨のマシンと並べられて、いつまでもファンに取り囲まれ注目の的となっていた。

「このトロフィーがこのもてぎに来てくれるなんて本当にうれしいですね。初めてアメリカから出て日本に来たわけだし、このトロフィーに自分の顔が入ったのを見ると、本当に勝ったんだなって実感します。なかなかこのトロフィーを見られる機会はないですから、日本のレースファンの皆さんにもゆっくり見て欲しいです」と、琢磨はトロフィーと一緒に写真に収まった。


 琢磨はこの他にもカート大会に出場しF3時代のチームメイト、ナレイン・カーティケヤンと組んで3位となったり、NSXにファンを同乗させてコースを走行、さらにフィットのレースを他のドライバーたちと走るなど、ファンと一緒にレースを楽しんでいた。

 どこにいても常に琢磨はファンに取り囲まれ、サインや写真をせがまれた。やはりインディ500優勝の効果は絶大だったようだ。


 琢磨は「またこのボルグワーナートロフィーに2年続きで顔を入れられるように、来年も優勝を狙いますし、さらにシリーズチャンピオンを狙えるように頑張りたいと思います」と挨拶すると、琢磨を取り囲んだファンから大きな拍手が沸き起こっていた。

 琢磨は年末まで忙しい日々が続き、ボルグワーナートロフィーが日本にいる間、イベントやPRの出演がひっきりなしにある。オフシーズンもまったく休む間もない様子だが、インディ500に勝つというのは、こういう事なのかもしれない。