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「パルファム ジバンシイ」がローカル戦略を日本から始動、ミレニアル世代にアプローチ

2017年12月03日 18:13  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

(左から)ジュリー コアン・オリヴィエ「LVMHフレグランスブランズ」社長、「パルファム ジバンシイ」メークアップ アンド カラー アーティスティック ディレクターのニコラ・ドゥジェンヌ、モデルの谷まりあ Image by: パルファム ジバンシイ
「パルファム ジバンシイ(PARFUMS GIVENCHY)」が、ミレニアル世代の獲得を視野に、日本初となるアンバサダープロジェクトを始動した。これまで全クリエーティブの製作をフランス本国で統括してきたが、新たにモデルの谷まりあを起用したオリジナルムービー全4本を日本で制作。いずれは日本以外の主要マーケットでもミレニアル世代に向けたプロジェクトを立ち上げる予定だという。パリにルーツを持つパルファム ジバンシイが、新ミレニアル戦略を日本から始める理由を、LVMHフレグランスブランズのジュリー コアン・オリヴィエ社長に聞いた。

 クラシカルなイメージを持つパルファム ジバンシイだが、顧客の6割が29歳未満。近年の赤リップトレンドの影響で若年層の顧客が増加したという。ブランド顧客の過半数を占めるミレニアル世代について、オリヴィエ社長は「自分のものは自分で選ぶ、意志を持っている世代。『可愛い』よりも『かっこいい』『クール』な女性に憧れている傾向があると感じる」と語る。
 パルファム ジバンシイではこれまでも、若年層の顧客に向けてブロガーや読者を招いたイベントやワークショップを開催してきたが、リージョン管轄で独自にクリエーティブを制作するプロジェクトは、メーキャップだけではなく​ファッション​を含めても今回がブランド史上​初めて。異例のプロジェクト立ち上げの経緯について「これまでビューティー業界では、ブランドバリューをいかに複数のマーケットで同じように伝えられるかが重要でしたが、これからは国や地域に合わせた見せ方にシフトしていきたい」とし、SNSの浸透により多様化するマーケットに、柔軟に対応していきたい考えだ。「美しいだけでなく、賢い女性。また多様性に富んだバックグラウンドもジバンシイが掲げるバリューと合致した」という理由からアンバサダーに起用された谷まりあは、日本人とパキスタン人の両親を持つ現役早稲田大学生。同プロジェクトでは、谷まりあが地下鉄や夜の東京を舞台に自由で大胆な女性を表現する動画が、SNSやウェブなどデジタルで毎週金曜日に公開される。
 オリヴィエ社長は日本市場について「日本の顧客は期待値が高く、コスメに関する知識も豊富。ラボのような感覚で、新しい商品を試すのに最適な市場」と捉え、日本での反響をベンチマークとして、主要マーケット(フランス、アメリカ、ロシア、中国)でもミレニアル世代向けのプロジェクトを2018年中に始動する計画だ。「日本では動画という形をとったが、他の国ではメークアップセッションやワークショップになるかもしれない」。デジタルを共通点に、それぞれの地域にとって最も効果的な方法でミレニアル世代に向けてブランドメッセージを訴求していくという。