お酒、好きですか? 筆者は週8で飲むくらい好きです。でも「好きだけどこれだけは飲めない」というお酒もありますよね。筆者にとってのそれは「大五郎」。1.8リットル1310円(アマゾン)の破格で売られている焼酎です。
出会いは大学生時代。床にブルーシートが敷かれた部屋で、ひたすら大五郎(ストレート)を飲み、人生初の四日酔いを経験しました。あの経験からラベルを見るだけでウッとなります。
しかしお酒は本来、ハッピーな飲み物のはず。このトラウマを克服すべく、バーテンや飲んべえにリサーチを重ね、美味しく飲める大五郎カクテル9種類を試飲しました。ちなみに大五郎の「安く早く酔える」という良さを活かすため、1対1で割っていきます。(文:市ヶ谷市子)
上手く割ることで消毒液感を解消! 独特の甘みを楽しむ
久しぶりの再会です。蓋を開けた途端、鼻に刺さる消毒液のようなニオイ、蘇る大学時代の記憶……。しかし隣の席のSさん(30代男性)は「懐かしいな、学生時代によく飲んでましたよ」と感慨深そうです(試飲は業務終了後、会社の自席で行いました)。
一度は絶対に飲んだことがある「レモンサワー」
気を取り直して、大五郎カクテルの飲み比べ。まずはオーソドックスに美味らしい、炭酸で割ってレモン1/4カットを絞った「レモンサワー」。おそるおそる飲むと、普通にうまい。新橋で良く飲む280円のレモンサワーです。消毒液感が全くありません。
Sさん「甲類焼酎(大五郎)って独特の甘みがあるんですよ。レモンサワーは割り物がシンプルだから際立って美味しいですよね」
筆者「詳しいですね」
大五郎感 ★☆☆☆☆
飲みやすさ ★★★★★
新橋で飲んだことある感 ★★★★★
大五郎なのに朝に飲みたい「モヒート」
これならイケる、イケるで……――。続いて筆者が作ったのは、ミント・ライム・炭酸で「大五郎モヒート」。もう一度言いますが、コップの半分は大五郎です。それでもスッキリ飲みやすい。柑橘系は大五郎のエグみを旨みに変化させますね。大五郎未経験の同僚(20代女性)も「爽やかですね、朝に飲みたい!」とのこと。
大五郎感 ★☆☆☆☆
飲みやすさ ★★★★☆(ミントが好きな人にとっては★5)
居酒屋アルプスのモヒート度 ★★★★★
「ソルティドッグ」がソルティドッグ過ぎて泣きたい
3種類目に「大五郎ソルティドッグ」を作ったのですが(ちゃんとフチに塩付けて)、ただのソルティドッグでした。
大五郎感 ☆☆☆☆☆
飲みやすさ ★★★★
面白み ☆☆☆☆☆
フルーツを爆盛りして女子力をひたすら上げまくる
ここで筆者が気付いたのは「大五郎、割れば普通にうまいのでは?」ということ。しかし「トロピカル大五郎~インスタ映えVer.~」はひと味違いました。フルーツを爆盛りして、ドロッとしたアサイージュースで割ると、分離して全然混ざらない。
オレンジジュースを追加するなど試行錯誤しても、やはり混ざり切りません。この割り切れない感はさしずめ大学4年の恋愛のよう……。そうこぼすと、一緒に試飲をした40代男性は「いや、男女関係はこれくらいギスギスしてるのが普通だよ」とのこと。
ちなみに無理やり混ぜたらトロピカルで美味なカクテルになりました。
大五郎度 ★★★★★(混ぜたら★2)
飲みやすさ ★☆☆☆☆
過去の自分への自戒度 ★★★★★★★★★★★
ほの甘くバニラアイスのような「牛乳割り」
心がすさんだときは、優しいお酒が飲みたいですよね。5種類目は「大五郎牛乳割り」です。最初はちょっと苦い牛乳に思えましたが、その中にふんわりとした甘みが。バニラアイスが入っているかのようで、クリーム系リキュールのカクテル・ベイリーズミルクに近いです。
大五郎度 ★★★☆☆
飲みやすさ ★★★☆☆
大人のミルク感 ★★★★☆
酒好きにオススメ!「紅茶割り」(※個人差アリ)
6種類目はストレートの紅茶で割った、「大五郎紅茶割り」。紅茶のすっきりとした香りの中に、アルコールの苦みが加わる、という感じで好きなのですが、お酒は嗜む程度の30代男性編集者は「喉が焼ける」とコメント。紅茶で割ると、アルコール強い感が前に出てくるので、酒好きにはオススメしたい一杯です。
大五郎度 ★★★★☆
飲みやすさ ★★★★☆
紅茶がうまい度 ★★★★★(使用茶葉はジャネットのアールグレイ)
ビール割り「バクダン」で早稲田と慶応のバトル発生
落ち着いたところで試したのが「バクダン」。焼酎のビール割のことなのですが、どこかで飲んだことのある味……。同僚の男性2人が飲むと、
「これ! 高田馬場の味!」
「あ~、日吉で飲んだ!」
そうだ、大学近くの安居酒屋にて180円くらいで提供されている「ビール」と称した飲み物の味です(筆者にとっては江古田味)。
味は記憶を呼び起こすと言いますが、早稲田と慶應出身の2人は「早慶戦」なのか「慶早戦」なのかで激しい言い合いをしていました。バクダンは、強いお酒を喉ごし良く飲めるので、コンセプトにふさわしいお酒です。
大五郎度 ★★★★☆
飲みやすさ ★☆☆☆☆
正直もう飲み放題嬉しくない度 ★★★★★
上司曰く、風俗に行く前に飲む味の「栄養ドリンク割り」
大学生といえば、エナジードリンク割り。机に常備してあるもので「大五郎栄養ドリンク割り」を作りました。見るからにケミカルで元気が出そうです。味は小児科のシロップ風薬風ですが、上司曰く「おっさんが風俗行く前に飲むやつ」だそうです。
大五郎度 ★★★★☆
飲みやすさ ★☆☆☆☆
色々元気が出そう度 ★★★★☆
「コーヒー牛乳割り」はポスト・ロングアイランドアイスティー?
そして9種類目、最後はデザートカクテル「大五郎コーヒー牛乳割り」。ガツンと大五郎の味はするのですが、甘いコーヒー牛乳のおかげかいい感じの大五郎です。ラム酒入りチョコレートみたいな味で、つい飲み過ぎてしまいそう。もしかしたらロングアイランドアイスティー(女性を酔わせたいとき御用達カクテル)の代用として使えるかもしれませんね。
大五郎度 ★★☆☆☆
飲みやすさ ★★★★★
危険度 ★★★★★★★
大五郎飲んでると人が寄ってきて「俺と大学と大五郎」の話をしてくれる
9種類のカクテルを作りましたが、改めて飲んでみると「大五郎はクセがない」ことを実感しました。だから比較的、どんなカクテルにも使えます。これからはホームパーティーに大五郎一本持っていけばいいんじゃないでしょうか。
好みで言えば「紅茶割り」が好きですが、飲みやすいのは断然「レモンサワー」「モヒート」。また大五郎を飲んでいると、周りの人が「俺と大学時代と大五郎」の話をはじめる傾向がありました。大五郎は人の意外な一面を知れるコミュニケーションツールにもなります。
ちなみに余った大五郎はコーヒー豆を漬けて「コーヒー焼酎」にしました。香りは甘く香ばしく、ロック、シロップ添え、牛乳割りとさまざまな飲み方で最後まで楽しめます。大五郎は可能性無限大です。
ただ記事を書いている最中も、大学時代の記憶がフラッシュバックして、度々胸が熱くなりました。記憶とか、思い出とか、いろんなものがこみ上げてきます。今後も大五郎の美味しい飲み方を模索し、自分と向き合いながら大五郎マスターを目指そうと思います。