12月3日、栃木県芳賀郡のツインリンクもてぎで行われている『Honda Racing THANKS DAY 2017』で、スーパーカブシリーズ世界生産累計1億台を記念した特別レースが開催され、レーシングドライバーやMotoGPライダーなどがスーパーカブを操り競い合った。
出場選手は、四輪からはARTA監督の鈴木亜久里と小暮卓史、二輪からはMotoGPライダーのマルク・マルケスとダニ・ペドロサ、2018年イデミツ・ホンダ・チーム・アジア監督に就任した青山博一、さらにはティム・ガイザー、藤波貴久、水野涼、秋吉耕佑、成田亮、山本鯨、小川友幸、伊藤真一、伊達悠太らオンロード、オフロードのレーシングライダーたちだ。
使用するスーパーカブは性能差はなく一般に販売されているものと同様だが、それぞれのドライバー、ライダーに合わせカラーリングが施された。
3周で争われたこのレース。ツインリンクもてぎのロードコースの西コースのみで行われた。グリッド順は四輪ドライバーであることや年齢などが加味されて、ポールポジションは亜久里、2番手は小暮。MotoGPライダーのマルケスは13番手、ペドロサは14番手からのスタート。
好スタートを切った亜久里がそのまま引き離すか……のように思われたが、あっという間にMotoGPライダーのふたり、最後尾スタートだったマルケスとペドロサが上位に浮上。さらには全日本モトクロスライダーの成田があえて(?)ロードコースではなくダートとなっているエスケープゾーンを走行するシーンも。
マルケスとペドロサはレース中に何度も後ろを振り返る余裕ぶり。そこに2017年MotoGP日本GPではジャック・ミラーの代役参戦した青山が加わるなど、笑いあり、興奮ありのレースとなった。
結局、トップでチェッカーを受けたのはペドロサ。マルケスが2位に続き、3位には青山が入った。ちなみに、このレースでチェッカーを振り選手たちを迎えたのは、2018年シーズンからマルケス、ペドロサらとともに争うことになる中上貴晶。
レース後、「すごく楽しいレースだった! ずっと笑いながら走ってたよ!」と満面の笑みを浮かべるペドロサ。午前中に行われた2輪ライダーによるカートレースではマルケスに優勝を譲ったが、リベンジを達成してみせた。
マルケスも「とにかく楽しかった!」とご満悦。楽しいレースだったとにこにこ笑顔のMotoGPライダーふたりについて、トライアル世界選手権ライダーの藤波は「(MotoGPライダーは)コーナリングでのコントロールがすさまじいですね」とロードレース世界選手権ライダーの実力を垣間見たようだった。
あっという間のレースではあったが、観客は四輪、二輪のレーシングドライバー、ライダーのスーパーカブによる戦いを楽しんだ。