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WTCCカタール:ボルボ勢が2冠達成。道上龍はメインレース10位で世界選手権初年度終える

2017年12月02日 10:32  AUTOSPORT web

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2017年のシリーズチャンピオンはテッド・ビョーク(ボルボS60 WTCC)が獲得
WTCC世界ツーリングカー選手権は12月1日、第10戦カタールの決勝レースが行われ、メインレースで4位を獲得したテッド・ビョーク(ボルボS60 WTCC)が2017年のシリーズチャンピオンに輝いた。

■オープニングレース

 ラーダ・ベスタWTCCを操るケビン・グリーソンをポールシッターとして迎えたオープニングレースでは、2周目の1コーナーで4番手スタートだったメディ・ベナーニ(シトロエンCエリーゼWTCC)がグリーソンをオーバーテイクしてトップに浮上する。

 その後はベナーニがトップを守るも、後方からトム・チルトン(シトロエンCエリーゼWTCC)が接近すると、レース残り3周となった7周目にはサイド・バイ・サイドのバトルに発展した。

 8周目、チルトンはターン12の右コーナーでベナーニのイン側を突くとターン13~14でオーバーテイクに成功。そのままリードを2.175秒まで広げてトップチェッカーを受けた。

 チャンピオンを争うビョークとノルベルト・ミケリス(ホンダ・シビックWTCC)は、ビョークが1周目にチームメイトのイバン・ミューラー(ボルボS60 WTCC)を交わして5番手に浮上。

 ミケリスも前を走る僚友エステバン・グエリエリ(ホンダ・シビックWTCC)とともに前を走るボルボ勢のニッキー・キャッツバーグ(ボルボS60 WTCC)攻略を試みるが、ここではキャッツバーグが2台をブロックしてチームメイトを援護。

 最終的にグエリエリがポジションを譲り、ミケリスは9位でチェッカーを受けた。

 これによりビョークとミケリスのポイント差は16.5ポイントまで拡大。しかし、メインレースでは最大30ポイントを獲得できるため、逆転戴冠のチャンスは残してメインレースを迎えることに。



■メインレース

 続いて行われたメインレースでは、ポールシッターのグエリエリがスタートから独走。決勝レース中のファステストラップも獲得する走りで、2位につけたロブ・ハフ(シトロエンCエリーゼWTCC)に対し、3.7秒もの大量リードを築いて勝利した。

 後方では、チャンピオン獲得に王手をかけたビョークが2周目にキャッツバーグにポジションを譲って4番手に後退する。

 一方、追いかけるミケリスはオープニングラップで3台を交わして、11番手から8番手までジャンプアップを果たす。

 しかし、その前の7番手を走るのはボルボ勢のひとりで大ベテランのミューラー。ミューラーは1周目にベナーニとバトルを繰り広げた際、マシンにダメージを負ってしまい、思うようにペースを上げられなかったものの、ミケリスには鉄壁のガードでポジションを譲らず。

 最後までミューラーを攻略できなかったミケリスは8位でチェッカー。一方、ビョークは4位でのフィニッシュとなり、2017年のシリーズチャンピオンを獲得した。

 チェッカー後、「いまだに信じられない。最高の気分だ」とビョーク。

「ようやく緊張がほぐれた。チームのみんなに感謝したい。カタールに乗り込む時、かなりなプレッシャーを感じていたけど、家族やコーチなど親しい人たちが支えてくれたんだ」

 メインレースの2位はハフ、3位はキャッツバーグが獲得。これにより、ボルボはマニュファクチャラーズタイトルも手にして2冠を達成している。

 プライベーターで争われるWTCCトロフィーはチルトンがチャンピオンとなった。

 シリーズに唯一の日本人ドライバーとしてフル参戦している道上龍(ホンダ・シビックWTCC)はオープニングレースで14位、メインレースで10位を獲得。ドライバーズランキング14位で世界選手権挑戦初年度を終えた。