若い人の間でお金に対する不安が高まり、その結果結婚も遠ざかっているようだ。SMBCコンシューマーファイナンスは12月1日、「20代の金銭感覚についての意識調査」の結果を発表した。
調査は10月2~5日に、20~29歳の男女1000人を対象に実施した。全回答者に結婚をしようと思える世帯年収を聞いたところ、「年収がどれだけ少なくても結婚したい」という人は15.8%、最も多いのは「400~500万円あればしたい」(18.5%)だった。「年収がどんなに高くてもしたいと思わない」という人も15.5%いた。
「子ども1人を育てようと思う世帯年収」最も多い回答は600万円
ただ、年収400万円まであれば結婚しようと思う人の割合は、年々減少している。2014年には53.6%だったが、2015年には50.3%、2016年には48.8%と年々低下。2017年には39.8%と4割を切っている。
結婚ではなく、子育てとなるとどうだろうか。1人の子どもを出産・子育てしようと思える世帯年収は、400万円までが30.2%、500万円までが47.9%となっている。過半数を超えるのは年収600万円(57.9%)だ。
さらに2人の子どもを出産・子育てしようと思える割合は、年収400万円までが17.5%、年収500万円までが29.6%、過半数を超えるのは年収700万円(51.4%)だった。やはり子育てをするために必要な年収は結婚に必要な年収を上回っている。
結婚と同様に、年収が400万円あれば1人の子どもを産み育てられると考える人の割合も年々低下している。2014年には40.9%だったが、2015年と2016年には37.8%まで低下し、2017年には30.2%になっている。年収400万円あれば2人の子どもを出産・子育てできると思える人の割合はわずか17.5%で過去最低になっている。
また、結婚後に夫婦共働きと片働きのどちらを希望するか未婚者822人に聞いたところ、共働きを希望する人は70.5%に上った。男女別に見ると、女性では78.9%、男性では62.8%が共働きを希望している。
次に既婚者178人に対して、現在は夫婦共働きか片働きか聞いたところ、共働きが54.0%で、片働きが45.5%だった。実際に共働きをしている夫婦の割合は、希望する夫婦の割合を下回っている。
20代の平均貯蓄額は133万円、昨年調査から50万円増でより堅実に
毎月自由に使えるお金はいくらあるか聞いたところ、全体の平均額は2万9694円で、未婚者は3万1644円、既婚者は2万688円だった。「独身貴族」というだけあって、やはり未婚者の方が自由に使えるお金が多いようだ。
次に、毎月自由に使えるお金がどのくらいあれば満足か聞いたところ、平均額は全体で6万41円、未婚者では6万5168円、既婚者では3万6360円だった。未婚者でも既婚者でも実際に使える金額と希望する金額に開きがあることがわかる。
現在、貯蓄できているお金がいくらあるのか聞いたところ、全体の平均額は133万円で、20代前半では76万円、20代後半では190万円だった。同様の質問をした昨年の調査結果と比較すると、全体の平均額は50万円近く増加している。
貯金額は増加しているが、リタイアまでに貯めておきたい金額にはまだまだ足りないようだ。仕事をリタイアする年齢までに貯金がいくらあれば安心できるか聞いたところ、最も多いのは「500万円超~1000万円以下」で24.9%だった。
しかし「5000万円超~1億円」ないと不安だという人も14.9%いて、全体の平均額は5055万円になった。平均貯蓄額である133万円から5055万円まで貯金を増やすためには、かなりの節約が必要になりそうだ。
実際、財布に入れておく金額は過去最低になっている。気になる異性と初デートするときに、所持金がいくらあれば安心するか聞いたところ、平均額は1万8179円だった。この金額は、2014~16年に実施された調査の平均額を下回っており、若者の間で倹約志向が高まっていることがわかる。