小林可夢偉(アンドレッティ・フォーミュラE)が開幕戦の香港ラウンドに緊急参戦することで、俄然、注目を浴びることになったシーズン4となる2017-2018年のフォーミュラE。その可夢偉が香港大会の金曜日、プレスカンファレンスにアンドレ・ロッテラー(テチーター)とともに出席するなど初めてのフォーミュラEで精力的に活動。開催前日の可夢偉に聞いた。
今季のルーキードライバーでもある可夢偉は、ルカ・フィリッピ(NIOフォーミュラEチーム)、ロッテラーとともに金曜2回目のプレスカンファレンスに登場。
「フォーミュラEのマシンには、フィルミングデーで50km/hのスピードで駐車場を走っただけで、あとはシミュレーターでしか経験がありません。長い距離でのテストはしていないので、今週末の目標を明言することはできないですね」と、司会の質問に現実的に応えた可夢偉。
「短い時間の中で、できることをやるだけです。まったく新しいクルマ、そしてこれまでとはまったく違ったドライビング、そしてレース、バッテリーのマネジメントが必要になる。マシンの運転はトリッキーで驚かされることも多いので間違いなく大変な展開になるでしょうけど、新しいスタッフとの作業はとてもエキサイティングです」と、これまでの感想を述べた。
その後、可夢偉とチームスタッフはコースウォークへ。と言っても、コースは市街地でクルマやバス、タクシーなどがひっきりなしに行き来する中、道路の端を渡るコースサイドウォーク。
香港コースの路面は白線や黄色の線などペイントが多く、しかもペイントが粉状に崩れていたり、コンクリートの破片や金属製の突起物など、一見してすぐにやっかいな路面コンディションだと理解できる。
それらを丹念に見つめる可夢偉。感想を聞いても「最高ですよ!」(笑)と、気丈に振る舞う。
「マカオもそうですし、シンガポールの市街地も似たような雰囲気ですので、心配していません。明日からはとにかく短い時間でどれだけできるかですね」と、翌日のセッションに向けての抱負を語った。
可夢偉と同じく、フォーミュラEルーキードライバーであるロッテラーも、開幕戦に向けての意気込みを次のようにコメントしている。
「レーシングドライバーであるからには、ルーキーとはいえ、常にトップを目指したい。トップを目指さないのはレーシングドライバーじゃないよね。それが僕の目指しているものだよ。香港での2戦で自分たちのチームがライバルと比べてどのようなポジションにいるのか、それを確認しなければならない。テストはしたけど、シーズン中に行われる市街地などのコースではないので、あまり参考にならないからね」と気を引き締めるロッテラー。
可夢偉、そしてロッテラーとも日本のレースファンに馴染みの深い百選錬磨のドライバーたちが、フォーミュラEという新しいレースの初戦でどのようなレースを見せるのか。いろいろな意味で、興味深い。