F1への復帰を目指すロバート・クビカは、ウイリアムズとの最終評価テストに見事な成績で合格したように見えるが、チームのチーフテクニカルオフィサーを務めるパディ・ロウは、ふたつ目のシートはまだ誰のものとも決まっていないと主張した。
クビカは、今週ヤス・マリーナ・サーキットで行われたアブダビテストにランス・ストロール、セルゲイ・シロトキンと共に臨み、身体能力への懸念を打ち消す良いパフォーマンスをみせた。
しかしロウは、2018年にストロールのチームメイトとなるドライバーを急いで決めるつもりはないとするチームのスタンスを崩さず、候補者リストにはアブダビで走ったドライバーたち以外も含まれていると語った。
「我々は準備ができた時点で意思決定するつもりだ」とロウ。
「すべての情報が出そろい、決めるための準備が整った時だ」
「このテストに連れてきたドライバーたちだけが、来年のレースドライバー候補というわけではない」
「今回はタイヤテストだった。それがふたりのドライバーを見る機会を兼ねていて、同時にランスにとっては新しいタイヤを試す機会でもあった。そういう目的だったのだ」
「もちろん、このテストでドライバーたちに関する情報をさらに集めることができた。ただ、今回走った者からレースドライバーを選ぶと明確に定めているわけではない」
クビカの他にもポール・ディ・レスタ、パスカル・ウェーレイン、ダニール・クビアトなどがウイリアムズのシートを狙っているといわれる。
アブダビテストでウイリアムズのマシンを走らせた3人のなかで、クビカが最も速いタイムを記録した。だが、ドライバーの走行日時、使用したタイヤによって条件は異なるため、詳しい分析を行う前にクビカのパフォーマンスに対して評価したくはないとロウは述べた。
テスト終了後、ロウはメディアに対して「私はスピードについて話すつもりはない」としたうえで、こう続けた。
「これは複雑な話題なのだ。皆さんはこの件で私に何らかの答えを求めているのだろうが、我々自身で議論せずにすむようなことではない」
「パフォーマンスとスピードというのは、本当に複合的な問題だ。タイムシートを読むだけだと誤解してしまう。だから、今はこの件については話さない。我々自身がまだ分析すらできていないからだ」