アデコは11月30日、日本企業に常勤する外国人の意識調査の結果を発表した。調査は今年10月に実施し、日本の企業に常勤しているホワイトカラーの外国人300人から回答を得た。
同僚の日本人の働き方についての印象を聞くと、最も多かったのは「仕事の精度が高い」(そう思う・まあそう思うの合計が80.3%)だった。
次いで「人材の指導や育成に長けている」(計61.3%)、「仕事に対するモチベーションが高い」(計57%)と続く。一方、「仕事のやり方が効率的」(計47%)、「時間の管理が上手い」(計43.3%)、「無駄な会議が少ない」(計28.3%)は半数を切る結果となった。
男女不平等で、察することを要求されることも不満
日本の職場環境で不満に思っていることを聞くと、1位は「男女が平等に扱われていない」(43.3%)。2位「『阿吽の呼吸』といった直接的でないコミュニケーションが煩わしい」(40.0%)、3位「遠回しな言い方がわかりにくい」「外国人に対する差別がある」(同39.0%)だった。
5位以降は「上司とのコミュニケーションがとりにくい」(34.0%)、「飲み会や親睦会など業務外のイベントが煩わしい」(28.3%)、「セクハラやパワハラが多い」(25.0%)などと続く。多様性への不寛容と、察することを要求するコミュニケーションの仕方に不満を持っているようだ。
日本の企業での勤務におけるネガティブな経験を聞くと、「日本の職場で戸惑った『日本独自の習慣』がある」(70.3%)が最多となった。他にも「外国人がゆえに、機会を与えられなかったと感じることがある」(69.3%)、「日本語能力が理由で、業務に支障をきたしたり、機会を逃したりしたことがある」(56.0%)が多かった。
ネガティブな経験を具体的に聞くと、
「自分の仕事が終わっても上司が帰るまで待つ」(米国・男性50代)
「年功序列システム。若手が良いパフォーマンスを見せても見返りが少ない」(仏・女性20代)
「わざわざ聞きに行かないと重要な情報を共有しない」(台湾・女性30代)
など労働時間や業務プロレスについてや、「飲み会など強制参加なのにお金は割り勘」(台湾・女性30代)など、組織文化への不満が挙げられた。
約8割は「現状に満足。今後も日本の企業で働きたい」
しかし日本で常勤として働く外国人の77.0%は「現在の就労環境に満足している」、84.0%は「今後も日本の企業で働きたい」(84.0%)と回答している。
「現在の就労環境に満足している」と回答した人に、どんな点に満足しているかを尋ねると、もっとも多く挙げられたのは「業務内容」(60.6%)。次いで「同僚との人間関係」(57.1%)、「労働時間」(55.8%)、「雇用の安定性」(53.7%)などと続く。
日本で働き始めたきっかけは「住みやすいから」(62.3%)、「日本に興味があるから」(60.7%)が多かった。また外国人が日本の企業で長く働くためには「外国文化に対する理解の向上」(62.7%)、「よいワークライフバランスへのサポート」(62.3%)、「日本人・外国人従業員間の区別の撤廃」(60.0%)などが挙げられた。