2017年からTCR規定を採用して生まれ変わったSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の2018年暫定カレンダーが発表され、新生STCCシリーズでは初開催となるノルウェーでの1戦が追加。ただし、昨年度よりラウンド数減少となる全6戦とされている。
2017年は第2戦として設定され、スウェーデン国外では久しぶりのSTCC開催となったフィンランド・アラスタロ戦と、国内のソルバラ・ラウンドが削減され、変わってノルウェーの首都オスロから南に80kmほどのラケスタードに位置する、全長3254m、ヘルマン・ティルケ設計の『ラスコーガン・モーターセンター』が最終戦前の天王山、第5戦としてカレンダーに加わった。
開幕戦は昨年同様、5月のリング・クヌットストープとなり、6月の第3週に第2戦アンダーストープへ。夏休み前に移動となった7月初旬の第3戦ファルケンベルグを経て、8月中旬のカールスクーガでシリーズは再開。ノルウェー戦を挟んで、9月のマントープ・パークで最終戦を迎える。
2017年のイベントとは対照的に、2018年カレンダーでは大半のラウンドで土日開催のフォーマットが採用され、開幕戦クヌットストープと最終戦マントープ・パークだけが、金曜・土曜のタイムテーブルを維持する。さらに、昨年に引き続きサポートカテゴリーとして、ポルシェ・カレラカップ・スカンジナビアの併催も予定されている。
STCCオーガニゼーションの新たな会長に就任したハンス・バースは、ノルウェー・ラウンドの復活はSTCCにとって重要なステップになると信じているとし、スカンジナビア全域で争われるシリーズであることを主張する不可欠な要素だと考えている。
「我々はスカンジナビアの選手権であり、カレンダーのなかで少なくともひとつのレースの週末を、スウェーデンの国外で開催したいと考えていた。2017年はフィンランド、そして2018年はノルウェー、というようにね」とバース。
また、今後のTCR規定の発展に関しても前向きな観測が立てられると述べ、2017年に初めて導入したこのレギュレーションが、2018年もさらなる成長を遂げるだろう、と続けた。
「この5月開幕のカレンダーには満足しているし、マシンにとってもスウェーデンの歴史と伝統ある、クールで挑戦しがいのあるトラックでレースができることは、非常にポジティブな要素だろう」
「こうしたサーキットのオーナーや、イベント主催者と開催クラブとの協力体制を深め、シリーズをさらに発展させていきたいと思っているよ」
この2018年暫定カレンダーを踏まえて、2017年シーズンはWorldRX世界ラリークロス選手権とのバッティングにより、わずか4戦へのエントリーにとどまったヨハン・クリストファーソンは、完全に回避された両選手権日程の恩恵を受け「KMS(クリストファーソン・モータースポーツ)のためにフル参戦する決意」だとコメントした。
「カレンダーが衝突しないことを純粋に歓迎しているし、我々の活動計画も非常にシンプルなものにできる」と語ったのは、ヨハンの父であり、KMS代表を務めるトミー・クリストファーソン。
チームは来季に向けても3台体制でのエントリーを予定しているが、まだ最終決定は下されていないという。
「フォルクスワーゲン・スウェーデンと(スポンサーの)バウハウスによる対話が続けられており、タイトル獲得という共通の目標に向けて、現実的で競争力のあるコンセプトをまとめることができるか、協議を続けている」と、トミー。
「VWスウェーデンはこの週末にもディーラー会議を開催する予定で、そこで何らかの決定が下されるだろう。もちろん彼らは重要なサポーターで、我々としても前向きな決断を望んでいるがね」
KMSチームは2017年シーズンに向け当初2台体制を構築し、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRをスタンバイ。息子ヨハンの欠場ラウンドの代役として、大ベテランのフレデリック・エクブロムを招聘し、もう一台にはルーキーのフレデリック・ブロムステッドを起用。
その後、エクブロムがタイトル争いを演じる活躍を見せたこともあり、ヨハンが参戦可能なラウンドには急遽3台目のマシンを用意し、最終的に3カー体制に拡大して戦ってきた。
「もちろん、2017年に走らせたドライバーたちの能力には本当に満足している。しかし同時に、我々のドアをノックする才能が少なくとも2名はおり、彼らの能力をどのように開花させるかも考えなくてはならないね」と、トミーは監督としてのうれしい苦悩も語っている。
■2018年レースカレンダー/STCC
RoundDateEventRd.15月4~5日リング・クヌットストープRd.26月16~17日アンダーストープRd.37月7~8日ファルケンベルグRd.48月18~19日カールスクーガRd.59月8~9日ラスコーガン(ノルウェー)Rd.69月21~22日マントープ・パーク