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MotoGP:2017年苦戦したチーム・アジア鳥羽海渡。2018年の目標は「チャンピオン獲得」

2017年12月01日 16:22  AUTOSPORT web

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2017年はルーキーとしてMoto3クラスに参戦した鳥羽
2017年シーズン、ホンダ・チーム・アジアからMoto3クラスに参戦した鳥羽海渡が、世界選手権デビューイヤーとなった今季を振り返った。

 鳥羽は2013年に全日本ロードレース選手権J-GP3クラスに参戦。翌2014年にはアジア・タレントカップに参戦して初代チャンピオンを獲得した。以降はCEVレプソルインターナショナル選手権Moto3クラス、レッドブルMotoGPルーキーズカップへの参戦を経て、2017年はホンダ・チームアジアから世界選手権Moto3クラスにエントリーした。

 MotoGP初年度は第2戦アルゼンチンGPでの10位が最高位。ポイントランキングは30位にとどまり、世界選手権の厳しさを感じたようだ。

「2017年は初年度で分からないことも多く、とても難しいシーズンでした。序盤戦はいい感じで上り調子だったので、この調子だと後半戦はトップ争いをできるようになるかと思ったんですが、そこからアップダウンが激しくなりました」

「サマーブレイク後には少しよくなりましたが、そこからまた苦戦するようになり、安定してリザルトを出せない厳しい一年になりました」

 鳥羽が今シーズン、最も苦労したのはマシンフィーリングだという。2017年に使用したホンダNSF250RWのフィーリングが昨年まで乗っていたマシンと違い、セッティングに苦しんだ。

「昨年のマシンに近づけようとしすぎたためにセッティングが決まらず、昨年のフィーリングを得るためのセッティングを探して、ぐるぐる回っていたところがありました。そこに苦労をして、結果を残せないままシーズンが終わってしまった原因になったのかな、とも思います」

 レースでも上位に食い込むことができず、鳥羽にとってMoto3デビューイヤーはほろ苦いシーズンとなった。鳥羽は「こんなに苦労したのは今年が初めてだったので、抜け出し方がなかなか分からなかった、というのが正直なところです」と振り返る。

 思うように成績を上げることができない状況。焦りを感じやすい状態のなかで、鳥羽は「(メンタルの)コントロールの仕方も分からなかった」と言う。

「チーフメカニックやチームスタッフの皆がサポートをしてくれたおかげで、コントロールできたんだと思います。自信をなくさないことを明確にして、マシンに初めて乗ったときの楽しさも思い出して、前向きに努力を続けてきました」

「でも、いつもうまくコントロールできていたわけではなくて、やはり落ち込んでしまうときもありました。そんなときも、チームの皆に支えてもらってそこから上がってくることができました」

「例えば、ルーキーズカップやCEVで走った経験のあるコースでも、今年のほうがその当時よりタイムが遅くて結果を出せなかったりしたときは、自信をなくしたりもしました。でも、データを見れば、いいところも発見できるので自信を取り戻せる部分もあるし、自分が改善していかければならないポイントも分かって勉強にもなります」

「だから、結果が出ない年はつらいですけど、これを乗り越えたときに自分はもっと強くなれると思っています。それに、この苦しみを乗り越えれば、結果が出なかったときの対応のしかたも分かるようになるでしょう。今年、苦労したことは、絶対に今後につながるいい経験になると思います」

■自分のポテンシャルを信じてチャンピオン獲得を目指す

 2017年は世界選手権でレースを転戦することにより、長期間日本を離れヨーロッパでの生活を送ることになった。環境の変化についてはどうだったのだろうか。

「ヨーロッパの生活や雰囲気や食事は、とても気に入っています。でも、今年は日本との往復が続いたので、飛行機に乗っていた時間もとても長かったですよ(笑)。移動時間が長いとトレーニングできない時間も長くなるので、そこはヨーロッパの選手たちと比べると不利な部分かな、とも思います」

 ヨーロッパでの生活という環境の変化は大きなデメリットとはならなかったようだが、レースでは慎重な性格が災いしたかもしれないと鳥羽は言う。ライダーとしての自身の長所と短所についてこう語った。

「ライダーとしては、バトルには強いほうだと思います。多少の接触になっても、気持ちで負けることはありませんね。短所は、コンディションが変わると慎重になりすぎる部分があるところかもしれません。今年苦戦した理由のひとつは、その辺りにもあるとも思います」

「(2018年シーズンの)目標は、チャンピオンを獲ることです。Moto3でチャンピオンを獲った選手は、2年目には必ず結果を出しているので、僕も来年はしっかりいい結果を出せるようになりたいと思います」

「そのためにも、このオフシーズンの間は自分を追い込んで、しっかりとトレーニングに励みます。技術的に、自分には上位で争えるだけのポテンシャルがあると信じています。そのためにも、2017年の苦労はとても多くのことを学ぶ経験だったと思います」

 2018年シーズン、Moto3クラス2年目を迎える鳥羽。2017年の経験を礎に、さらなる飛躍を誓う。