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神木隆之介、『刑事ゆがみ』での成長に驚きの声も 市川由衣の事件を見事解決へ

2017年12月01日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 弓神適当(浅野忠信)はこれまで、天才的な刑事的直観と違法捜査の数々で、羽生虎夫(神木隆之介)を振り回しながらも事件を解決してきた。『刑事ゆがみ』11月30日放送の第8話では、かつて弓神が窃盗容疑で逮捕した猿渡愛実(市川由衣)が高層マンションから転落、盗み出した現金を握った状態で死体となって発見される事件が発生。児童養護施設にいる息子と再会するため、盗みから足を洗い働いていた彼女の死は、視聴者に大きな衝撃を与え、「切ない話だった」という感想がSNS上で飛び交った。それと同時に弓神とともに捜査してきたことで感化され、成長した羽生の姿が描かれたのも、視聴者に驚きを与えた。


(参考:市川由衣のラブシーンはなぜ心抉られる? “無垢な少女”からの成長を振り返る


 弓神はこれまで必要とあらば違法捜査も厭わず、事件を解決してきた。最初は悪ふざけとも思える捜査方法に、羽生も呆れていたが、次第にその見方が変わってくることになる。弓神をめんどくさい上司として捉えていた羽生だが、3話に登場したベテラン刑事・真下誠(寺脇康文)の「彼には刑事としての信念がある」とのセリフ通り、徐々に弓神の凄さに気が付き始めていた。


 うきよ署は、猿渡の転落事故として処理しようとするが、弓神は猿渡の母親としての想いを知っているため、1人で捜査を続行する。羽生は、弓神の身勝手な捜査を止めようとするが、「猿渡が窃盗の前科持ちじゃなかったらどうなんだよ。ただの母親だったらこんなに簡単に決めつけないで捜査を続けてるだろうよ」と一喝。今までにない真剣さに羽生は、自分が先入観を持って捜査していたことを自覚し、弓神とともに真相を追いかけることに。


 容疑者としてマンションに住む沼田徹(小林隆)が浮かび上がり、はじめは弓神が取り調べを行うも、逆に沼田から証拠を迫られてしまう。だが、その弓神のピンチを救うかのように羽生が「(証拠は)ありますよ」と登場し、「自分に取り調べさせてもらってもいいですか」と弓神とバトンタッチ。そのまま羽生は見事、沼田に容疑を認めさせることに成功する。そして、検死結果を偽装して沼田に自供させるという違法捜査を行ったことも含め、羽生はどんどん弓神から学んできたものを自らも実践するようになってきていた。


 羽生の成長は、刑事としてだけではない。第8話の放送では、羽生が事件調査のために、犯人の仲間になりすまし、バイクで現れるシーンがあった。バイクを颯爽と走らせてやってきた黒い革ジャンの男性が、ヘルメットを脱ぐと、そこには乱れた髪の羽生の顔があった。その姿にネット上では、「かっこいい」「すごい良かった」「めっちゃタイプ」と興奮さめやらぬ声が多数あがっていた。本作では、“童貞キャラ”としていじられている存在でもある羽生。以前、nakamura omame氏が当サイトで、「神木の武器ともいえる“ピュアっぽさ”が際立ち微笑ましかった」(http://realsound.jp/movie/2017/11/post-123698.html)と分析していたが、そうした面と時折見せるクールさが、とてもいいバランスで混ざり合い、羽生=神木の魅力を引き出している。各回の話が進むにつれ、その魅力はさらに磨かれてきている印象だ。


 神木は「ウーマンエキサイト」(https://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_E1509809134224/)のインタビューで浅野に対して「どんなアドリブをしても想像以上のことを必ず返してくださるので、羽生としてはウザいですけど、芝居としてはおもしろおかしくできて、頼りになる相方さんです」と語っている。2人の何気ない掛け合いのパートも、おそらくはアドリブによるものなのだろう。息のあったボケもツッコミで、見事にクスッと笑わせてくる。本作の中にいる羽生と同様に、役者としての神木も成長しているのがわかる本ドラマ。残る放送回でどんな姿を見せてくれるのか。


(馬場翔大)