英国サッカー・プレミアリーグの名門チームであるチェルシーやトッテナムで監督を務め、現在は中国の上海SIPGを率いているアンドレ・ビラス・ボアスが、2018年のダカールラリーに参戦するためチームを退団することが明らかとなった。
ポルトガルのポルト出身のビラス・ボアスは、ジョゼ・モウリーニョ監督の下でアシスタントコーチを務め、2009年にポルトガルのアカデミカ・コインブラの監督に就任。低迷していたチームをリーグ残留に導き、翌年にはポルトの監督に抜擢。リーグ優勝だけでなくUEFAヨーロッパリーグも制した。
2011年からはイングランド・プレミアリーグの名門チェルシーの監督に就任。その経歴などからモウリーニョ2世やミニ・モウリーニョとも称された。
3年契約と期待をされてチェルシーの指揮を任されたが、初年度のシーズン途中に成績不振により解任。その後はトッテナム・ホットスパーやロシアリーグのゼニト・サンクトペテルブルクを経て、2016年からは中国リーグの上海SIPGの監督に就任し、先日行われたアジア・チャンピオンズリーグでは準決勝で日本の浦和レッドダイヤモンズと対戦している。
そんなサッカー界の名将のひとりビラス・ボアスがダカールラリーに挑戦するという驚きの報道がヨーロッパを駆け巡った。
ビラス・ボアスは、大のモータースポーツ好きと知られ、10代の頃にはオフロードバイクの大会に定期的に参加。サーキットでもF1などを何度も観戦し、現在も多くのバイクを所有している。さらに、彼の叔父ペドロ・ビラス・ボアスは、1982年にダカールラリーに参戦している。
ビラス・ボアスは、バイクでの参戦を当初は希望していたが、準備期間が足りずに断念し、四輪での参戦を計画している。
「KTMチームのマネージャーである友人のアレックス・ドリンガーと話したけど、1年間の準備が必要だと彼は言ったよ。それで車でダカール参戦を検討する方がいいと思ったんだ。そして、チーム・オーバードライブと連絡を取り合い、ここに今いるのさ」とビラス・ボアス。
2013年ダカールラリーのバイク部門で2位に輝いたルーベン・ファリアをコ・ドライバーとして迎え、トヨタ・ハイラックスで参戦する予定だ。
「アンドレから僕に電話があってチームに加わることを提案された。考える時間を必要としたよ。5秒くらいかな。素晴らしいチャレンジだし、僕たちはいいダカールを過ごせると思うよ」とファリア。
第40回を迎える2018年のダカール・ラリーは1月6日からペルー、ボリビア、アルゼンチンと渡り20日にゴールを迎える。