ロバート・クビカがF1に復帰する上で身体能力に懸念は全くないと、ウイリアムズのチーフテクニカルオフィサーであるパディ・ロウが語った。クビカはアブダビでのF1タイヤテストでウイリアムズの現行マシンを初めて走らせた。
2011年にラリーでの事故で重傷を負ったクビカは、それ以来のF1復帰を目指し、今年テストを繰り返してきた。ランス・ストロールのチームメイトを探すウイリアムズと交渉し、2014年型マシンでテストを行った後、アブダビテストでは2017年型ウイリアムズを初めてドライブした。
初日28日には、100周を走りこみ、1分41秒296のタイムで12人中9位となった。このタイムをクビカはソフトタイヤでマーク、他の11人は来年新しく導入される最もソフトなタイヤ、ハイパーソフトで記録している。
テスト2日目は午後のセッション終盤2時間を走行、28周のなかでハイパーソフトで1分39秒485をマークし、14人中7位となった。
ウイリアムズは今回のテストにクビカの他にストロールとセルゲイ・シロトキンを起用。走行した日と時間帯、タイヤが異なるものの、自己ベストタイムが最も速かったのはクビカだった。
・ロバート・クビカ:1分39秒485:2日目ハイパーソフト
・ランス・ストロール:1分39秒580:1日目ハイパーソフト
・セルゲイ・シロトキン:1分39秒947:2日目ソフト
ウイリアムズはすでにクビカと合意しているとの報道もあるが、BBCによると、ウイリアムズは今回のテストで得たデータを基にクビカのペースを分析し、来季ドライバーとして起用するかどうかの最終決定を下す予定であるという。今回のテストで何か懸念される点を見つけない限りはクビカと契約する見込みで、チームはドライバー決定を12月半ばまでに行いたい考えだとBBCは伝えている。
パディ・ロウは右腕にけがの後遺症があるといわれているクビカの身体能力について「何ひとつ問題はない」と述べた。
「ロバートは素晴らしい仕事をした。周回数と走行自体に我々は満足している」とロウは2日目のセッションの前に語っている。
「(フィードバックは)非常にいい。ドライバーとしてたくさんの経験を積んでいるから、作業において理解力が高い」
「プロのレーシングドライバーとして自信を持っており、同じガレージにいればそれを感じ取れる。皆がロバートに満足している」
7年にわたりF1への復帰を目指してきた、その決意の強さについてもロウは称賛している。
「ロバートというドライバーには、F1時代も、それ以降も、ずっと感心させられどおしだ」
「大事故に遭いながら、復帰を考え、そのために戦ってきた」
「我々はテストに集中していた。これが終わったら、また集まって来年のレースに向けて決断を下す」