WTCC世界ツーリングカー選手権に参戦するポールスター・シアン・レーシングは、12月1~3日にカタールで開催される今季最終戦に向け、ネストール・ジロラミに代わって四度のWTCC王者、イバン・ミューラーを起用すると発表した。
ドライバーズタイトル争いでは、現在首位のテッド・ビョークが2位のノルベルト・ミケリスをわずか6.5ポイント差で、マニュファクチャラーズタイトルでは、2位のホンダに対して12.5ポイント差と、今季のWTCCはボルボとホンダの熾烈なチャンピオン争いが展開されているが、王座が決する最終戦カタールに、ボルボが“秘策”を投じることになった。四度のWTCC王者であるイバン・ミューラーの復帰だ。
ミューラーは2008年、10年、11年、13年とWTCCの王座を獲得。また、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権でも長年タイトルを争ったほか、フランスの氷上レースであるアンドロス・トロフィーでも絶対的な王者として君臨してきた。シトロエンがワークス活動を停止した2016年限りでWTCCのレギュラーシートを降り、ボルボのアドバイザーという役割を務めていた。
「今季、一緒にハードに働いてきたチームとともにふたたびレースに戻れることを嬉しく思う。私の仕事はテッド(ビョーク)がドライバーズチャンピオンを獲得することと、ポールスター・シアン・レーシングにタイトルをもたらすことだ」とミューラーは語る。
「厳しい目標にはなるだろうが、カタールでそれが実現できるであろうことに疑いはないよ」
一方、ミューラーの参戦により、今季フル参戦してきたジロラミがシートを譲ることになった。ただ、「僕は自分のシートをイヴァンに譲ることを受け入れたんだ」とジロラミは承諾の上での交代劇だったと語っている。
「彼は自分よりもカタールの経験があるし、何よりも伝説的なドライバーだ。僕は2018年に向けてまた仕事を続けるつもりだよ」