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「優秀な人材が欲しければ、それに見合う対価を払う」ファーウェイCEOの発言が話題に 「聞いているか日本の経営者よ」

2017年11月29日 16:41  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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中国の大手通信機器メーカー「ファーウェイ」のリチャード・ユーCEOが語った、

「優秀な人材が欲しければ、それに見合う対価を払わなければなりません」

という一言が話題になっている。11月28日の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で放送されると、ツイッターでは「聞いているか日本の経営者よ」などとツイートされ、2000以上リツイートされている。(文:okei)

「日本人を引き抜くときは3000万円で」という話も

ファーウェイといえば、キャリコネニュースでも6月に「ファーウェイが日本で人材募集した際の初任給が40万円以上」だと大きな話題になった。どうやら、研究開発に欠かせない人件費を出し惜しみする気はないようだ。

ファーウェイ企業サイトの採用欄には、年収1600万円など、1000万円以上の高待遇での募集が並ぶ。社員の平均年齢は30歳前後で、全従業員の約半数が研究開発に携わるという。売り上げの10%以上を研究開発費に充てており、2017年は130億ドル(1兆4000億円)にのぼる見込みだ。

番組コメンテーターの熊谷亮丸氏(大和総研チーフエコノミスト)は、ファーウェイの採用人数について、「年間15万人くらい(入社試験を)受けにきて、8千人~1万人くらい採用する。その中に博士号を持っている人が600人くらいいる」と説明した。

「初任給は40万円くらいで、日本から人を引き抜くときは3000万円くらいで引き抜いていく」

というから驚きだ。

「優秀な人材が欲しければ~」と語るファーウェイのユーCEOは、「今後生き残れるのは数少ない企業だけであり、その中でファーウェイの成長は加速するでしょう」と強気の姿勢だ。大規模な研究開発投資が必要だが、多くの企業はついて来られないと見ており、「このペースなら、ファーウェイの研究開発費は数年で世界一になるでしょう」とも語っていた。

能力が低い人材のうち、下から5%は淘汰する制度も

一方、甘い話ばかりではなく、人材を淘汰する制度もあるという。ユーCEOは、「能力が低く目標を達成できない下から5%の人材は淘汰するんです」と明かした。

これについてどう考えるのか、ファーウェイの社員は

「競争は厳しいけれど、自分の仕事をしっかりやればいい」
「ひとつの目標に向かってみんなで突き進む会社」「給料はすごくいいです」

など、不満はない様子だった。日本の取材にネガティブなことは言わないだろうが、選び抜かれた優秀な人材だけに、淘汰される不安よりも「仕事に対して充分な報酬が得られる」ことに満足しているのだろう。

「いま研究開発に投資しないリスクは大きい」とCEO

さらに、ユーCEOは「将来新技術が登場すれば業界がひっくり返ることもある」として、厳しい経営観を披露した。

「いま投資しないのは大きなリスクです。いま成功していても、危機意識がなければ数年後に会社はなくなってしまうかもしれません」

日本では連日品質データの改ざん問題が報じられ、正規・非正規の賃金格差を是正しよう等とモメている。その間に、優秀な人材がこうした意識を持つ世界企業にどんどん流れていくのかもしれないと思うとぞっとした。