2017年はFIAヨーロピアンF3選手権に参戦した牧野任祐が、11月30日からアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催されるFIA F2のテストに、ロシアンタイムから参加することになった。テスト直前の牧野のコメントを紹介しよう。
牧野は2016年に全日本F3選手権、スーパーGTに参戦。光る走りをみせ、2017年は渡欧しヨーロピアンF3に参戦した。レッドブルリンクでは表彰台も獲得したが、ランキングは15位。来季に向けた活動が注目を集めるところだが、F2へのステップアップを視野に入れ、アブダビテストに参加する。
F2ドライブにあたって所属するのは、今季F2のランキング2位となったアルテム・マルケロフが所属したロシアンタイム。ただ、来季に向けてはチーム消滅の危機も噂されている。こちらのチーム事情についてはオートスポーツNo.1470に詳報が掲載されているので、そちらをご参照いただきたい。
──初めてのF2テスト。走り慣れたF3マシンとはまったく違う経験になります。
牧野任祐(以下牧野):ですよね。今回のテストはすべてが初めてですからね。クルマだけじゃなくて、コースもタイヤも。なので(鈴木)亜久里さんからも「3日間のテストは1日目からタイムを出すような無理をしないで、いろんなことを吸収して、しっかり勉強して、3日目にある程度まとめることを考えろ。落ち着いてやっていけ」とアドバイスをもらっています。いろいろ学んで、吸収できたらいいかなと思ってます。
──いまの発言のなかにもあったコース、クルマ、タイヤのなかで、自分が一番集中して学ぼうと思うのは?
牧野:やっぱりタイヤですね。今回はいろんなコンパウンドが試せるわけではなさそうですけど、その中でも学べることはたくさんあるでしょうし。
──ピレリタイヤはまったくの初体験ですか?
牧野:去年のマカオGPで履きました。でもマカオのピレリはけっこうまともだったので、あまり参考にはならないと思います。(性能の)崖(クリフ)もなかったし。
──一方でロシアンタイム自体は、チームの存続が危ぶまれてるような話も出ています。
牧野:ええ。それは聞いてますけど、僕の力でどうこうできる話じゃないですからね。なるようにしかならない。ただテストはちゃんと3日間走れることは間違いないので、自分の引き出しを増やすようにしっかりやりたいですね。
──2018年はいきなりF2ではなく、まずGP3という選択肢は考えはなかった?
牧野:チャンスがあればF2と考えてました。なので迷いはなかったです。
──ホンダの山本雅史モータースポーツ部長は、牧野選手はビッグフォーミュラの方が真価を発揮できるドライバーだと言ってました。自分ではどういう意味だと思いますか。
牧野:なんというか、今のF3は車体のダウンフォースとエンジンパワーの比率が、おそらく7:3くらい。車体側が勝ってるんですね。それがF2だと4:6くらいかな、と思ってます。そうすると走らせ方が多少違ってきますから。
──マシンのコントロールの能力がより活かせる?
牧野:それもあると思います。実際に乗ってみないとわかりませんけど、去年スーパーフォーミュラとGT500に乗った経験は、ある程度は活きるかもしれないですね。
──今回テストするクルマと来季の2018年型は、また大きく変わりますが。
牧野:そうですね。これから順応していくしかないですね。来季はターボを採用することもあって、タイヤのタレがいっそう大きくなると思うんですね。なのでタイヤの理解、タイヤマネージメントは、さらに重要になりそうです。あまりにタレがひどいので、リヤタイヤを見直すという話も出てるようですけど。とにかく3日間のテストはできることをしっかりやって、できるだけたくさんのことを吸収しようと思っています。