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井上真央の婚約者・工藤阿須加が豹変……『明日の約束』第7話が描いた“裏の顔”

2017年11月29日 13:42  リアルサウンド

リアルサウンド

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 「親を悪く言うな」。昨日放送された『明日の約束』(関西テレビ・フジテレビ系)第7話のラストシーン、工藤阿須加演じる本庄和彦が放ったひと言、そしてその豹変ぶりには大きなインパクトがあった。


(参考:井上真央はなぜ毒親から離れられないのか? 『明日の約束』の歪んだ親子関係


 藍沢日向(井上真央)の婚約者である和彦は、彼女が唯一、心の拠り所とする存在として描かれてきた。しかし、時折、鋭く力強い目つきに変わる姿も見せていた。そして、とうとう、第7話で和彦は日向に手を挙げることになる。


 和彦は、結婚を機に日向と日向の過干渉な母・尚子(手塚理美)との関係を修復させようと意気込んでいた。「やっぱり、良いお母さんじゃない」そういう和彦に日向は「あの人、外面は良いから」「今日だってあの人が思っているのは自分が恥かいたってことだけだから」と、彼が何もわかっていないことを指摘する。そして、「ご両親に愛されて育ってきたカズには私の気持ちはわからないよ」との言葉で、和彦に火がついた。「お願いだから、もう私とあの人の間に立とうとか考えないで」、やっと本音を言えた日向の前に、和彦が立ち上がり、机の上のコーヒーカップを床に払う。次の瞬間、吹き飛ばされたかのように床に手をついている日向が映ると、彼女の髪の毛を掴み上げ、「親を悪く言うな」という和彦の姿があった。


 これまでも、尚子や亡くなった吉岡圭吾(遠藤健慎)の母・真紀子(仲間由紀恵)の豹変ぶりには、度肝を抜かされてきたが、ここにきて新たな一面を見せた和彦には驚かされた。振り返ると、本作に登場する主要人物たちには、それぞれ表の顔と裏の顔、両方が明かされてきている。尚子、真紀子の裏の顔は、それぞれ子どもを愛しすぎるがゆえ、和彦は親を愛しすぎるがゆえ…なのだろうか。


 第6話までを見ていると、真紀子から無関心で“ほったらかし”にされている圭吾の妹の英美里(竹内愛紗)と、和彦に重なる点があると指摘していた。(http://realsound.jp/movie/2017/11/post-131042.html)両親が、おそらく手を焼き、亡くなってからも話題にする兄に対して、和彦は嫉妬をしていたのではと。そうなると今回、和彦が怒った際に口に出した言葉「親を悪く言うな」が、とても引っかかる。そこには、これまで描かれてきた日向や圭吾、英美里、増田希美香(山口まゆ)、香澄(佐久間由衣)らが悩んでいたものとはまた違った、いびつな親子関係が隠されているに違いない。


 ところで、和彦が手を挙げる一件が起こる前、はじめはとても和彦に好印象を抱いていた尚子は、何度か会ううちに「アラが見えてきた」と言い出し、「ああいうタイプには気をつけた方がいい」と苦言を呈していた。そして、それが本当に起きてしまった。“毒母”の勘もまた鋭いのだ。


(大和田茉椰)