最終戦アブダビGPでトロロッソを逆転し、選手権6位を確定したルノー。英国エンストン、フランスのビリーシャティヨン双方の施設拡充を進めたことで、ひとまず2017年の目標を達成できたことになる。
「とはいえこの進化はまだ控えめなもので、来季も状況はそう大きくは変わらない」と、ルノーのスペシャルアドバイザーであるアラン・プロストは、英国スカイTVのインタビューに答えた。
「私がこれまでずっと言って来たように、ルノーの進化は人々が思っている以上にゆっくりなものだ。それはもちろん、意図的なものでね。緩やかに進化した方が、高い質を維持できる可能性が高い。急ぎすぎると、往々にして信頼性の問題が出てくるからね。今季はパワーユニットの性能が進化を果たした。決して目立つものではないが、思った以上にいい仕事ができたと思っている」
「車体に関しては、さらに時間が必要だ。エンストンでは、特に空力部門のスタッフを大幅に拡充した。しかしその結果が出るのは、来年ではなく2年後になるだろう。来季も大きな進化が期待できるが、もしランキング4位まで上がったとしても、メルセデスやフェラーリとの2秒差が埋められるとは思っていない」
プロストはまた、性能と信頼性の両立は非常に微妙な問題であることを認めている。いうまでもなくシーズン終盤に頻出したパワーユニットのトラブルを、念頭に置いたものだ。
「今季のわれわれは、新たなMGU-Hを投入した。すべてうまく機能していたように見えたが、実際にはそうではなかった。パーツサプライヤーの問題もあった。非常に厳しい1年だったね。しかしそこで学んだことは、必ず来年に活かされるはずだ」
「おそらくほんの少し、進化を急ぎ過ぎたんだろう。なので来季、ラップタイムが2秒速くなるとか、そんな期待はしないでほしい。われわれが求めているのは、性急な進化ではないのだから。ではどれぐらいなのか。それはまだわからない。性能と信頼性を、いかに高いレベルで両立させるかという問題なのだから」