アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで、28日、2018年F1タイヤのテストがスタートした。2日間にわたるテストの初日、10チーム12人のドライバーが参加、来年新たに導入されるハイパーソフトを含む、さまざまな種類のタイヤで走行した。
各チームはこの日、初めてピレリの2018年用コンパウンドを試した。ピレリは来年、ドライコンパウンドを2種類追加し、合計7種類を使用することを発表している。追加されるのは最もハードな「スーパーハード」(オレンジ。ハードはアイスブルーに変更)と最もソフトな「ハイパーソフト」(ピンク)。コンパウンドは今年より一段階ソフト寄りになるため、ハイパーソフトは2017年に最もソフトなタイヤだったウルトラソフトよりも2段階ソフトになっている。
今回のテストでピレリは、各チームに20セットを提供、そのうち12セットはピレリが、残りの8セットはチームがコンパウンドを選択した。すべてのチームが、1台のみで走行を行う予定だったが、マクラーレンはブラジルGP後のタイヤテストが治安悪化のためキャンセルされたことを受け、唯一、2台を走らせる。
この日は、12人中11人がハイパーソフトで自己ベストタイムを記録、ウイリアムズから参加したロバート・クビカのみがソフトタイヤでのタイムで全体の9位となった。
テスト初日にトップタイムを記録したのはフェラーリのキミ・ライコネン。午前中にクイックラップを走り、この日のトップタイム1分37秒768をマーク。午後には長めのランに取り組んだ。テスト2日目にはセバスチャン・ベッテルが登場する。
2位にはレッドブルのダニエル・リカルドが1分38秒066で続いた。翌日にはマックス・フェルスタッペンがステアリングを握る予定。
2017年チャンピオンであるメルセデスのルイス・ハミルトンが1分38秒551で3位。W08での最後の走行を行ったハミルトンは、新ハイパーソフトについてポジティブな感想を述べている。29日にはバルテリ・ボッタスがテストを引き継ぐ。
4位はハースのロマン・グロージャン。1分39秒270をマークしたグロージャンは、12人中最多の137周を走行している。
ウイリアムズのランス・ストロールが5位に続いた。ウイリアムズは午前から昼過ぎにかけてクビカ、夕方からストロールを走らせた。
2011年にラリーのクラッシュで重傷を負って以来、F1から遠ざかっていたクビカは、今年ルノーでF1マシンをテスト、続いてウイリアムズの2014年マシンで2回テストを行った後、今回のテストに臨んだ。初めて2017年型FW40で走行したクビカは、この日、順調に100周を走行、1分41秒296の自己ベストタイムを唯一ソフトタイヤで記録し、全体の9位となった。ウイリアムズはテスト2日目は午前にセルゲイ・シロトキン、午後に再びクビカを走らせる。クビカはストロールの来季チームメイト候補として最有力とみられている。
マクラーレン・ホンダは2台を使い、フェルナンド・アロンソとオリバー・ターベイを走らせた。アロンソは午前セッション終盤にスピンを喫し、ターン18から19でバリアにクラッシュ。修理のため、走行時間を幾分ロスしたが、この日の走行プログラムは無事完了し、115周を走行するなかで1分39秒762で6位となり、マクラーレンMCL32・ホンダでの走行を締めくくった。
テスト&開発ドライバーのターベイは、合計105周を走り、1分41秒914の12位タイムを記録している。テスト最終日は、ストフェル・バンドーンとランド・ノリスが受け持つ。
ルノーのニコ・ヒュルケンベルグが1分39秒803で7位、8位にはフォース・インディアのニキータ・マゼピンが1分39秒959で続いた。10位は1分41秒428をマークしたトロロッソのショーン・ゲラエルだった。トロロッソはテスト最終日には来季レースドライバーのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーを走らせる。ザウバーのマーカス・エリクソンが1分41秒681で11位となった。
アブダビでのテストは29日も続けられる。