タバコを吸えない飲食店が増える中、ファミリーレストラン大手の「サイゼリヤ」までもが全面禁煙に踏み切るという。NHKが11月27日に報じた。
来年2月以降、新しく出店する場合には店内に喫煙スペースを設けて、客席を全席禁煙にするという。既存の店舗も順次改装し、同じく客席は全面禁煙とする。2019年の9月には全ての店舗で禁煙となる予定だ。ネットでは、賛同の声が多いものの、喫煙者からは悲鳴も上がっている。
「残念です。長い間お世話になりました。さようならサイゼリヤ」
厚生労働省は現在、面積が150平方メートル以下の店舗を除いて、全ての飲食店を禁煙にする規制案を検討している。ただし、たとえ150平方メートル以下であっても、大手のチェーン店は禁煙とする方針だ。
加えて、未成年の受動喫煙を防ぐため、20歳未満の従業員が喫煙スペースに立ち入ることを禁じるという。まだ法律として成立したわけではないが、こうした規制案がサイゼリヤ禁煙化の背景にあることは想像に難くない。
報道を受け、「ありがとう、サイゼリヤ!」と歓喜する人も多かった。
「これで気管支の弱い俺でも安心して外でパスタを食べられる」
「子供連れて行けるところの選択肢が増えるから嬉しい」
しかし、全ての店舗で禁煙になるまでには時間がかかるため、「二年もかけると聞いて驚愕。来年からでも可能でしょ」と予定を早めるよう求める声もあった。
一方で、喫煙者からは困惑の声が出ている。お笑いコンビ「磁石」のツッコミ、佐々木優介さん(37)も、
「残念です。長い間お世話になりました。さようならサイゼリヤ」
とツイートしている。
禁煙に賛成する人からは「食事の間ぐらいヤニを我慢できねえのか」という愛煙家への批判もある。しかしサイゼリヤは長居しやすく、アルコールも注文できるため、タバコを吸いながら食事を楽しんでいたという喫煙者も多いのではないだろうか。
愛煙家の筆者(編集部N)もサイゼリヤをよく利用していたが、禁煙となれば他の店を使わざるを得ない。
デニーズ「店舗を全面禁煙にする予定は特にありません」
しかし店の選択肢はどんどん狭くなっているようだ。11月2日付けの日本経済新聞では、ファミリーレストラン「デニーズ」までもが全席禁煙に踏み切る方針だと報じられている。筆者が顔面蒼白になって運営会社であるセブン&アイ・フードシステムズに確認したところ、
「現在、約380店ある店舗のうち約40店に喫煙ルームがあります。他の店舗ではパーテーションなどで分煙をしています。今後、喫煙ルームを設置して分煙を勧めたり、店舗を全面禁煙にする予定は特にありません。おそらく『いずれ全面禁煙が当たり前の時代が来るかもしれませんね』とお話したことを『原則禁煙』と報じられたのだと思います」
ということだった。安心した。ただし、従業員には未成年もいることから、「店員用に喫煙ルームの設置も進めていく方針」だという。
サイゼリヤよりは値段が張るが、タバコを吸いながら食事やアルコールを楽しみたい人はデニーズを利用するといいかもしれない。