フォルクスワーゲン・モータースポーツが、2018年下期の投入を目指して開発中のフォルクスワーゲン・ポロGTI R5の初テストを行った。
このポロGTI R5は、ラリー競技でカスタマーチームから支持を得ているR5規定に沿ったラリーカー。フォルクスワーゲンにとってはゴルフGTI TCRに続く2台目のカスタマー向け車両となる。
同社は、ポロGTI R5初の走行テストをフランス・フォンジョンクーズで2日間に渡って実施。テストドライバーのディーター・デッピングと2017年のWRC2クラスチャンピオンであるポンタス・ティデマンドのふたりがステアリングを握った。
テスト初日は3.85kmのターマック(舗装路)で行われ、気温10度前後のドライコンディション下で走行。チームはブレーキやエンジン、クーリングシステムのチェックを行っている。
2日目はグラベルに舞台を移して走行を続け、シャシーやダンパー、サスペンションなどの耐久チェックに重点が置かれた。
なお、今回のテストが行われたフランス・フォンジョンクーズは、フォルクスワーゲンがWRC世界ラリー選手権で4連覇を達成し、黄金時代を築いたフォルクスワーゲン・ポロR WRCの開発テストが行われた場所だ。
ポロR WRCのテストにも関わったデッピングは「ここ(フォンジョンクーズ)に戻ってくると特別な感情が湧いてくる。6年前の2011年に、ここからポロR WRCの快進撃が始まったんだ」と語った。
「このポロGTI R5についても、ベストなセットアップをみつけることができたと思う。今回のテストで一番重要だったのは、エンジニアに充分なデータを渡せるよう、とにかくマイレージを稼ぐことだった」
「マシンについて、これだけは言える。ポロGTI R5は速く精密で素晴らしいマシンだ。乗り込んですぐに馴染むことができたよ」
フォルクスワーゲン・モータースポーツでディレクターを務めるスベン・スミーツは「初テストが成功裏に終わったことはいい兆候であり、モチベーション向上につながる」とテストを評価している。
「コンピューター上やワークショップなどで、このカスタマーカープロジェクトに何週間も時間を費やしてきた。そんなポロGTI R5が初めて道路を走り、そのポテンシャルをみせてくれたんだ」
「今回収集したデータは、さらにマシン開発を進めていく上で必ず価値がある」
フォルクスワーゲンは今後も開発を重ね、2018年下期にWRC2をはじめとする、世界中のラリー選手権を戦うプロフェッショナルチームにポロGTI R5を供給する予定だ。