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既婚男性から「性器写真」送りつけられ、テレフォンセックス求められた…罪に問いたい!

2017年11月28日 10:03  弁護士ドットコム

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既婚男性から、自身の性器の写真など性的なメールを送りつけられて困っているーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーにこのような相談が寄せられた。


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相談者と、問題の既婚男性は「職場は違いますが同じ狭い業界の中では名の知れた人であり、自分の立場を考えると無下にすることもできない」という関係だ。やっとの思いで「性的な内容のメールはやめてほしい」と伝えたが、それでもなお、出張の時などに電話をかけてテレフォンセックスを求めるなど、性的な行動を止めないという。


このまま放っておくと、被害者が増えるのではと相談者は危惧しており、ここでしっかりと罪に問い、以後同じような行動をさせないようにしたいと考えているようだ。このような男性の行為は、なんらかの罪に問われるのか。男性の行為を止めるために、どのような手段が考えられるのか。渡邊幹仁弁護士に聞いた。


●どんな罪に問える可能性がある?

「この男性の行為は、いわゆる『ストーカー規制法』(ストーカー行為等の規制等に関する法律)違反にあたる可能性があります。ストーカー規制法では、『つきまとい等』の行為が禁止されています。この中には『つきまとう』『待ち伏せる』など以外にも、次のような内容も含まれます。


・監視していると思わせるような事項を告げる


・面会、交際等を要求する


・汚物などを送付する


・名誉を害する事項を告げる


・性的羞恥心を侵害する事項を告げたり、そのような文書・画像等を送付する


したがって、ご相談の内容にある『出張の時などに電話をかけ、テレフォンセックスを求める』『自身の性器の写真など性的なメールを送りつけ』るなどの行為は、『つきまとい等』に含まれストーカー規制違反となる可能性があります。


ストーカー規制法違反というためには、他に、つきまとい等が恋愛感情その他の好意の感情等の目的で行われたと言える必要があります。つまり単純な嫌がらせではストーカー規制法違反にはならない可能性があるのです。しかし、今回の男性の行為態様からすれば、この要件も満たすものと考えられます」


加害者男性は軽い気持ちでやっているのかもしれないが、犯罪に該当する可能性もある程に悪質な行為と言えるのだ。


●民事でも慰謝料請求ができる

では、まず警察に相談に行くべきなのだろうか。この他、慰謝料請求もできるのだろうか。


「ストーカー規制法に該当する行為があった場合には、最寄りの警察署等に相談してください。つきまとい等を繰り返す相手に対して警告や禁止命令を出してもらえたり、その他の必要な援助を受けたりすることができます。禁止命令に違反してストーカー行為をすれば、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金が科されます(なお、禁止命令が出されていない場合にも、ストーカー行為をした場合には1年以下の懲役又は100万円以下の罰金を科すとされています)。


また、民事上においても、このような男性の行為により精神的な損害を被ったとして、男性に対して慰謝料を請求するなどの対応が考えられます」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
渡邊 幹仁(わたなべ・みきひと)弁護士
離婚・親子関係などの家事事件、男女問題、不法行為に関する事件や、刑事事件・犯罪被害事件を数多く取り扱っている。
事務所名:新潟菜の花法律事務所
事務所URL:http://niigata-nanohana.com/index.html