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恋人や妻を伴い「同伴出張」、仕事終わりに観光&宿泊デート…法的にアウトな場合も

2017年11月28日 10:03  弁護士ドットコム

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恋人や配偶者の出張にかこつけて、自分も行ってしまう。そんな「同伴出張」をする人たちがいるようだ。たとえば、子育て情報サイト「ママスタ」では「旦那の出張ついて行く?」と質問が寄せられている(http://mamastar.jp/bbs/comment.do?topicId=1868652) が、これを読むと、経験者が多いことに驚かされる。


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ある人は「行きは旦那は仕事モードだから私は最寄り駅まで送ってもらい電車とタクシーで現地に行き、その出張先にあるアウトレットでせっせと1人で買い物。仕事終わった旦那にアウトレットまで迎えに来てもらって出張先の繁華街で遊んできたよ。帰りは社用車でのんびりドライブ」という。


コメント欄には他にも、「義姉いつも付いて行ってる…。夫の仕事中は観光してるそうです。正直引いたけど 夫も嬉しいらしい」「私は、よくついてくよ。仕事終わったら外食したり、次の日が休みの時限定で次の日観光したりだけど」と、経験談が並んでいた。


こうした同伴出張に法的なリスクはないのだろうか。三輪貴幸弁護士に聞いた。


●同伴出張、法的な問題は?

「まず、会社の就業規則で同伴出張についての規定があるかどうかを確認しましょう。就業規則で同伴出張が禁止されているのであれば、就業規則違反の問題が生じる可能性があります」


禁止規定がない場合は、どうだろうか。


「業務時間外というのは、会社に対し労働を提供する義務から完全に解放された状態を指しますので、出張先でも業務時間外であれば、プライベートな時間にあてることは自由であると考えられます。


ただし、出張の場合は『業務時間』が何を指すのかについて、通常の業務時とは異なる場合が多いので、プライベートにあてる時間が、本当に業務時間外なのか否かという点には注意が必要です」


宿泊するホテルに妻や恋人を泊まらせることは、やはり問題があるのだろうか。


「妻や恋人の宿泊費用を自分で負担するのか、会社が負担するのかによって異なります。出張中とはいえ、通常、宿泊時には会社の業務から解放されているはずです。その場合には、妻や恋人の宿泊費用を自分で負担するかぎり、業務外の自由な行為として認められると思います。


ただし、会社が指揮命令下に置くために宿泊先を指定しているなど、宿泊時の行動も業務時間内といえる場合(この場合、時間外労働などの別の問題はありますが)に、こっそり妻や恋人を泊まらせてしまうと、業務時間内の『職務専念義務』に違反する可能性があります」


●詐欺罪、懲戒処分の対象となる可能性も

妻や恋人の宿泊費用を会社に負担させていたり、妻や恋人との飲食費を会食費と偽って請求した場合、法的な問題に発展する可能性はあるのか。


「そのような場合、会社に対して報告すべきことをしなかったり、嘘をついたりして、本来自分が支払うべき費用を、会社から支払わせようとしたと言えるため、この時点で刑事上、会社に対する詐欺未遂罪が適用される可能性があります。


仮に、嘘を見抜けなかった会社から支払われた場合、刑事上は詐欺罪の既遂になる可能性があり、民事上では、会社から不当利得、あるいは不法行為に基づく損害賠償として、返還等を請求される可能性があるでしょう。


その上で、刑事上も民事上も法的な問題のある違法な行為ですから、労働契約上も会社からの懲戒処分の対象となる可能性があります」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
三輪 貴幸(みわ・たかゆき)弁護士
2008年、大阪の法律事務所にて弁護士業務を開始。2015年、樟葉法律事務所開設。埼玉弁護士会所属。2016年、さいたま市非常勤特別職(行政不服審査専門員)就任。さいたま市役所法務・コンプライアンス課所属

事務所名:樟葉法律事務所
事務所URL:http://shouyou-lawoffice.com/