トップへ

高橋一生、人には言えない恋愛に終止符 『民衆の敵』怒涛の第二章へ

2017年11月28日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)第二章の幕開けとなる第6話は、河原田(余貴美子)が佐藤(篠原涼子)へ「市長就任おめでとう」と告げる驚きのシーンからスタートする。第6話は佐藤が市長選に出馬し当選するまでのストーリーを描きながら、第1話からメインストーリーとは別軸で展開されてきた藤堂(高橋一生)と莉子(今田美桜)の恋愛に一つの終止符が打たれた。


参考:『民衆の敵』草ヶ谷Pが挑む“月9”の変革 「社会に一石を投じるドラマを」


 藤堂は代々続く政治家一家の次男。二世議員として政界に進み“市政のプリンス”と羨望の眼差しで他人から見られる自分と葛藤し、いつしか闇を抱えるようになっていた。隠れて住むマンションに風俗嬢の莉子を呼ぶ日々。「感じ悪いよ。その笑顔」と莉子から教えられるほどに、いつしか藤堂は自然な笑い方を忘れていた。


 そこに現れたのが、佐藤だった。同期の新人議員である佐藤は、何をしでかすか分からない、よく言えば世の中を変えるかもしれない可能性を持ったカリスマ性のある人物だ。犬崎(古田新太)や河原田が前々から佐藤の才覚を見抜いていたように、藤堂も早くから佐藤に興味を示していた。みんなが幸せになる権利がある。まだ、世の中は捨てたもんじゃない。「毒を飲んでも権力が欲しいよ」と直球で思いをぶつけてくる佐藤に、藤堂は「面白い人だな。だから、楽しいんだな。あなたらしい答えでいいと思います」と優しく微笑みかけ、外していた議員バッジを再び襟元に付け直す。藤堂も兄から莉子の写真を突きつけられ、政治家として生きるか、莉子と「ワタナベ」として生きるかの選択を迫られていた。


 藤堂はワタナベとして、莉子との最後の時間を過ごす。そこはいつものベッドの上ではなく、高級ホテルのレストラン。初めて2人が外で会う、最初で最後の“指名”だ。「オマールエビ。一度食べてみたかったの」とメニューで顔を隠す莉子に、「え?」と意外そうな顔を見せた藤堂は、優しく微笑み返す。それは遠巻きから見れば、普通に食事を楽しむカップルのようだったに違いない。2人は楽しそうに夜景を眺める。藤堂の心には、いつしか莉子への恋愛感情が生まれていたのだろう。莉子を見つめる藤堂の笑顔にもう濁りは一切ない。


 いつか写真を撮る、それが2人の約束だった。この日、もう会えなくなると悟っていた莉子は、「じゃあさ、最後に写真いい?」と藤堂とツーショットを撮る。別れを告げ、互いに背を向け歩き出したその時、莉子は一人振り向き「藤堂誠! ありがとう!」と叫び、帰路につく。過去に莉子は、藤堂が街中で演説をしている現場を目撃していた。政治家であることを知りながらも、それを隠して今日まで藤堂と会っていたのだ。


 莉子の最後の一言に、明らかに動揺を隠せない様子の藤堂。一瞬、追いかける素振りも見せるが思いとどまる。藤堂の脳裏を駆け巡ったのは、莉子が自分との今までの関係を誰かに話さないかという恐怖心か。やっと心から笑えるようになった藤堂は、またもとの笑顔に戻ってしまうのだろうか。藤堂を救えるのは、あと一人。佐藤のみだ。(渡辺彰浩)