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マクラーレン、“世界最速のレースゲーマー”をF1シミュレータードライバーに起用

2017年11月24日 16:22  AUTOSPORT web

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大会優勝者のファン・ビューレンは、マクラーレンのシミュレータードライバーに採用された
マクラーレンが初めて開催したeスポーツ大会「ワールド・ファステスト・ゲーマー」で、3万人の参加者から勝ち上がったオランダ人のルディ・ファン・ビューレンが、チームの公式F1シミュレータードライバーとして採用された。

 今年の5月に始まった予選会は、さまざまなゲームやプラットフォームで数多く行われてきた。その中から12名が勝ち残り、マクラーレンの本拠地があるウォーキングに招かれて1週間にわたる最終テストでしのぎを削った。

 決勝ウイークでは、インディアナポリス・モータースピードウェイ、鈴鹿サーキット、インテルラゴス、ル・マンなど、多種多様なサーキットを終日かけて走るという、ファイナリストたちにとって厳しいテストが課せられた。

 テストが進むにつれて12名の競技者は徐々に脱落し、6名が3名に減り、最後には2名が残った。ひとりはオランダのレイスタットから来た25歳のセールスマネージャー、ルディ・ファン・ビューレン。もうひとりは同じオランダのアムステルダムから来た、経営学を学ぶ20歳のフリーク・ショトーストだ。

 マクラーレンの最新F1シミュレーターを使って4時間にわたり行われた過酷な最終ラウンドの結果、ファン・ビューレンが同国人のショトーストとの接戦を制して優勝した。

 マクラーレンのエグゼクティブディレクターであるザック・ブラウンは、「まずルディに私から祝福を贈りたい。彼は勝つという気概と決意、そしてその能力を見せてくれた」と述べ、さらにこう続けた。

「とても過酷な競争だった。各競技者はその力の限界を大きく超えて戦わなければならなかった。来シーズンを通して2018年マシンの開発、改良を続ける我々のチームにとって、彼は不可欠な人材になるだろう」

 2003年にオランダのカート選手権で優勝しながらも、10代の頃に資金不足からレース活動の継続を断念したファン・ビューランにとって、今回の優勝は夢の実現であるとともに、モータースポーツ界における2度目のチャンスとなった。

「この大会は僕にとって素晴らしい経験だった。今の気持ちは言葉では言い表せないよ」とファン・ビューレン。

「先週マクラーレン・テクノロジー・センターに初めて足を踏み入れた僕が、今日はマクラーレンの一番新しいスタッフとして出ていくんだと思うと、興奮してしまう」

「今回の素晴らしい機会を与えてくれた全員には、感謝しきれないほど感謝している。この場所に来て、チームの人たちに会い、優れた競技者たちと戦ってきたことは、忘れることのない体験だ」

「この大会は、僕にとって最も厳しい採用面談だった。だけど、最後にこんな途方もない報酬がもらえるなんてね。もう仕事を始めるのが待ちきれないよ!」

「カートを始める男の子なら誰でもF1で走りたいと願うものだけど、その夢はどこかの時点で消えてしまう。ワールド・ファステスト・ゲーマーで優勝したことで、僕はその夢を追体験できるんだ」