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フォース・インディアF1首脳、PU部品の標準化に反対。「性能を下げてはならない」

2017年11月24日 15:12  AUTOSPORT web

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フォース・インディアも、提案された新レギュレーションには反対している
フォース・インディアF1のチーフオペレーティングオフィサーを務めるオットマー・サフナウアーは、部品を標準化することによってエンジン開発を規制するのは間違いだと考えている。

 F1は今後のパワーユニットを決定するための取り組みを進めており、F1モータースポーツ担当マネージャーのロス・ブラウンは、コスト削減と独立系エンジンメーカー誘致のための実行可能な方策は、標準化したエンジン部品を部分的に使うことにあると考えている。

 フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは、その構想はグランプリをNASCAR式の規格まで格下げすると主張して非難の声を上げた。フォース・インディアのサフナウアーもこれに同調し、F1はエンジン開発や、パワーユニットがパフォーマンスの差別化要因となることを認めなければならないとの意見を述べている。

「パフォーマンスには、様々な要素が存在していなければならない」

「我々がしてはいけないのは、まったく同じか、ほぼ同等であるというレベルまでパワートレインの性能を下げることだ。なぜF1からパワートレインでのチャレンジを排除しようとするのだろうか? 私には意味が分からない」

「我々はひとりのドライバーに対して、3年間で1億ドル(約111億円)でも9900万ドル(約110億円)でも、どんな金額でも費やすことができる。なぜ我々はひとりのドライバーに1億ドルも費やすのか? ただひとつの理由は優位に立てるからだ。ドライバーという部分では、それが普通のやり方だ」

「そしてなぜ我々は数億ドル(約数百億円)ないしは数千万ドル(数十億円)も空力プログラムにかけるのか? 優位に立てるからだ」

「ではなぜエンジンの性能を落とすのだ? エンジンにだって当たり前の解決策というものがある。ドライバーや空力と同じことだ」

「全体的に最も優れたパッケージを持つチームが勝つ。もし差別化を図る要因からエンジンを外せば、他のふたつがさらに重要になる。それは間違いだと思うね。我々はF1なのだ」

 ロス・ブラウンの提示した現在のエンジン案は決定案ではなく、議論や変更の余地があることをサフナウアーは理解している。

「既成事実ではない。まだ初回の議論と提案の段階だ。今後、我々はさらなる情報を得ることになると思う」

「パワーユニットのレギュレーションを最終決定するまで、あと1年ある。だから全員の情報を取り入れて、それがどこへ向かうのかに注目していよう」

 発表された将来に向けてのコンセプト案では、パワーユニットの費用は今のところ提示されていない。興味深いことにサフナウアーは、フォース・インディアのような独立系のチームのために、より低く手頃な価格を強く求めている。

 しかし彼は、コスト削減のためにブラウが提唱した“部品の標準化”という方策を認めていない。理論的には、低価格の実現と自由な開発とは両立しないように見える。

「価格がいくらになるのかは分からない。我々が最も知りたのはそこだ。より低い価格を望んでいるが、それがどうなるのかが我々には分からない。我々にとっては、そこが最も重要なことなのだ」とサフナウアーは述べた。