20代の若者は、60~70代よりも外出していないということが、国土交通省の「全国都市交通特性調査」で明らかになった。特に、20代男性の外出回数が減っているという。
1987年に始まった同調査はこれまでに5回実施されている。6回目となる今回は、2015年9~11月の平日と休日各1日を対象に、横浜や千葉、大阪など全国70都市で実施された。昨年12月26日には速報版が発表されていたが、11月21日により詳細なレポートが発表された。
20代の外出回数は1987年以降減少、60~70代よりも少ない
調査が行われた日に外出した人の割合を示す「外出率」は、1987年の平日86.3%、休日69.5%から年々減少し、平日80.9%、休日59.9%となった。1人が1日に移動する回数の平均も、1987年の平日2.63回、休日2.14回から減少し、平日2.17回、休日1.68回だった。いずれも過去最低を記録した。
外出回数が減っているだけでなく、歩く回数も減っているようだ。徒歩での移動は、1987年には移動手段のうちの27.2%(全国・平日)だったが、2015年には19.5%にまで減少。休日を見ても、21.6%(1987年)から15.4%(2015年)にまで低下している。
年代別に見ると、20代の外出回数は平日1.96回、休日1.43回で、80代に次いで少ないということがわかった。60~70代よりも20代の方が少ないのだ。
20代の外出回数は、1987年以降減少を続けている一方、60~70代の回数は増加。元々は20代の方が多かったが、2000年代に入ってから逆転した形だ。
若者が出掛けなくなっているのは、日本だけではない。アメリカでは21~35歳の外出回数が4.6回(1995年)から3.9回(2009年)に減少。イギリスでも21~29歳で3.3回(1995~1997年)から2.4回(2012年)まで減少している。
国交省担当者「インターネットやスマホ、ネットショッピングの普及が影響か」
男女別では、平日・休日とも、男性の方が女性よりも移動回数が多いということもわかった。男性の場合は、通勤・通学・業務のための移動が多く、女性は通勤・買い物のための移動が多い。
ただし、20代に限定するとやや様子が変わってくる。平日の外出率は、男性81.2%、女性80.2%とほぼ変わらないが、休日は男性51.1%で女性の60.1%を下回っている。移動回数を見てみても、平日・休日ともに男性が女性を下回っている。経年変化を見てみると、平日・休日ともに男性の「外出離れ」が顕著だ。
国土交通省の担当者は、キャリコネニュースに対し、「厳密な因果関係はわからない」としながらも、
「全体の移動回数の減少、特に若者の移動回数の減少には、インターネットやスマートフォン、ネットショッピングの普及が関係しているのではないか」
と語った。