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【今宮純のキャッチポイント】F1最終戦アブダビGP、信頼性に不安のルノーとダブル入賞に期待がかかるマクラーレン・ホンダ

2017年11月21日 16:41  AUTOSPORT web

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信頼性に不安を抱えるルノー勢に対し優位に戦うマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ
マクラーレン・ホンダ、60戦目のラストラン 
ハミルトン vs ベッテルの予選対決にも注目

 今シーズンも“閉幕戦”はアブダビGP、現地午後5時にスタートするトワイライトレース。夕暮れとともにマシンがキラキラ、周りのホテルはギラギラ、暗くて怖いインテルラゴスとは異次元な空間。 

 昨年は1時間38分04秒013でルイス・ハミルトンが勝ち、0.439秒差の2位ニコ・ロズベルグが初戴冠。3位セバスチャン・ベッテルも0.404秒差で続き、トップ3がひとつのシルエットのようになってゴール。

 ヤス・マリーナ・サーキットでは9回開催、F1世界選手権の976戦目になる。ちなみに、エンジンメーカー参戦数はフェラーリ951戦、ルノー598戦、メルセデス438戦、そしてホンダ400戦。

 大きな区切りとなるホンダは、2015年からマクラーレンにパワーユニット供給してからこれが最後の60戦目。アロンソがメキシコGP10位→ブラジルGP8位を続け、その半数レースで入賞にこぎつけてきた。昨年は終盤2戦とも10位、それ以上でもそれ以下でもないマシン&パワーユニットのパフォーマンスを駆使して戦った。

 ランキング9位から19点差ある8位ハースを抜くのは数字上難しくても、最後のここで“トップ5チーム”と競う戦いは期待できる。「ホンダ対ルノー」だ。現有戦力で信頼性に不安を抱える、ルノー・ワークスとトロロッソに対しては優勢。

 また、マイレージが気になるメルセデス製パワーユニット・ユーザーのフォース・インディアとウイリアムズにも、スタート次第では食い下がれるか。最後の予選アタックがポイントになってくる。昨年はセクター3でウイリアムズ勢を抑え、アロンソが9番グリッドを確保、フェリペ・マッサとのバトルに持ち込めた。

 マッサ自身のラストラン、アロンソはマクラーレン・ホンダでのラストラン。ブラジルGPに続きベテランが締めくくるか──。

今宮純が厳選するF1第20戦アブダビGP、6つのキャッチポイント

キャッチポイント1
 ハミルトンは昨年、2000kmマイレージのパワーユニットで自己最高年間12回ポールポジションを決めた。ブラジルGPでの予選クラッシュによってフレッシュなパワーユニットを入れた2戦目、ここで決めれば自己ベストタイとなる。インテルラゴスの後だけに4冠王のタイムアタックに注目。


キャッチポイント2
 ベッテルにも似たことが言える。過去2回ポールポジションがあるが、昨年はキミ・ライコネンに及ばず予選5位、最後のセクター3でまとめきれなかった。タイヤのオーバーヒート現象が出てしまったからだ。最近6戦中でフロントロウ5回、SF70Hの一撃能力を示してきている。ハミルトンとの予選対決が土曜のハイライト。

キャッチポイント3
 これまで“2ストップ戦略”が勝利の方程式だったが、今季のセオリーは“1ストップ”か。ブラジルGPまでドライレースだと14レースがそうなり、戦略の幅は狭まった。DRSゾーンは2カ所、オーバーテイクチャンスはターン8とターン11に十分ある。クロスライン攻防をレッドブル勢が魅せるか。


キャッチポイント4
 ドライバーズ選手権では、2位争いベッテル vs バルテリ・ボッタス(22点差)、4位争いダニエル・リカルド vs ライコネン(7点差)、7位争いセルジオ・ペレス vs エステバン・オコン(11点差)、10位争いマッサ vs ランス・ストロール(2点差)、15位争いアロンソ vs ストフェル・バンドーン(2点差)。これほど最終戦までランキング争いがあるのは珍しい。

キャッチポイント5
 コンストラクターズ選手権は、三つ巴の6位争いに絞られる。トロロッソ vs ルノー(4点差) vs ハース(2点差)、3チームが“6点圏内”なので、まさに一触即発状態。6位と8位では分配金が650万ドルもの格差があるのだ。それだけに3チームの間ではさまざまな論争、パワーユニットに関することやペナルティ批判などがうずまき、ドライバーもヒートアップ。最もホットなのは、個人名を挙げるならばケビン・マグヌッセンとロマン・グロージャン(失礼)……。

キャッチポイント6
 11月16日にトロロッソが、「2018年ピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレイ起用」を正式発表。これは若い彼らにとって、精神的にとても大きい。ガスリーは着実に実戦能力を高め、ブラジルGPで12位を得て、自信を深めているのが分かる。WECと連戦が10月15日富士から7週間も続いたハートレーは、WECバーレーン後に大移動なく、ようやくひと息ついて臨める。それに何よりも彼は、夜間走行に慣れているル・マン24時間レースの覇者でもある。