2017年のWRC世界ラリー選手権に参戦し、ドライバーズランキング/チームランキングともに2位を獲得したヒュンダイ・モータースポーツのミシェル・ナンダン代表は、2017年シーズンを「パフォーマンスは発揮したがチャンスを逃した1年」と統括した。
新型のヒュンダイi20クーペWRCで2017年シーズンを戦ったヒュンダイ勢は、エースのティエリー・ヌービルがシーズン4勝を挙げる活躍をみせた。
チームにとって、この2017年シーズンはWRCに参戦を開始して以降の4年間で最多優勝、最多ステージ優勝を遂げたシーズンとなったが、終始安定して得点を重ねたMスポーツ勢には届かず、チームランキングは83点差の2位。
また、ヌービルもシーズン序盤に大量得点のチャンスを逃した上、2戦でノーポイントに終わったことが影響し、ドライバーズランキングでは王者セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)に24点届かなかった。
シリーズタイトルにもっとも近づいたと呼べる2017年シーズンを、チームを指揮するナンダン代表は「パフォーマンスは発揮できたが、チャンスを逃したシーズンだった」と表現する。
「今年は新しい車両規則が導入され、全チームが新車を投入した。我々もヒュンダイi20クーペWRCを投じたが、こういった年は互いの戦力差を推測するのが難しくなる」
「シーズン序盤に、我々をチャンピオン候補として推す者もいたが、我々は現実が一筋縄ではないことを知っている。そして最終的なリザルトは我々が狙っていたものではなかったが、チームとして成長できた1年だったよ」
「1シーズンで4勝を挙げたのは、今年が初めてだ。我々のマシンは速さを発揮したし、ティエリー(ヌービル)やダニ(ソルド)、ヘイデン(パッドン)たちも、すぐに乗りこなしてくれた。(終盤に合流した)アンドレアス(ミケルセン)もね」
■2017年の敗因は「一貫性のなさ」と「チーム全体のミス」
チームの成長やドライバーのパフォーマンスを評価するナンダン代表だが、シリーズチャンピオンを逃した理由については、「一貫してパフォーマンスを発揮できなかった」ことが要因としている。
「競争力があったのは事実だが、いくつかの部分ではミスも多かった。これらが積み重なった結果、両選手権でチャンピオンを逃したんだ。チーム全体でミスがあったこと、自信を持てなかったラリーがあることを認識している」
「ただ、それを非難することはない。あらゆる面のオペレーションを完璧にすることが、2018年シーズンへの目標だ」
2018年1月に迫った2018年シーズンについて、「(2017年シーズン終盤の)ラリーGBやラリー・オーストラリアのように、我々が優勝争いに加わることで、ライバルを限界まで追い詰めたい。そうすればミスを誘発できる」と述べた。
「それと同時に、今年判明したマシンの信頼性不足やパフォーマンスの一貫性のなさを改善する。2018年も引き続き、エキサイティングなシーズンにしたいし、もっと勝利を重ねてシリーズタイトルを手にしたい」
「個人的にも(2018年シーズン開幕戦)モンテカルロが待ち遠しいよ」