WEC世界耐久選手権最終戦が開催された翌日の11月19日、決戦の舞台となったバーレーンで恒例のルーキーテストが行われた。午前と午後の計5時間のセッションで最速タイムをマークしたのは1号車ポルシェ919ハイブリッドを駆るティモ・ベルンハルト。新人勢のトップはベルンハルトとマシンをシェアしたピエトロ・フィッティパルディだった。
マクラーレン・ホンダF1のエース、フェルナンド・アロンソがTOYOTA GAZOO Racingから参加することで注目を集めた今年度のルーキテスト。ルーキーをサポートするレギュラードライバーを含む26名のドライバーが参加し、それぞれがLMP1を筆頭に全4クラス、計14台のマシンに分かれて周回を重ねていった。
注目のアロンソは10時00分から2時間にわたって行われた午前のセッションのなかで37周をラップ。午後の3時間では76周と精力的に走行し、セバスチャン・ブエミとシェアした8号車トヨタTS050ハイブリッドで1分43秒013の自己ベストタイムをマークしている。
またトヨタは、7号車トヨタTS050ハイブリッドのテストドライバーにマイク・コンウェイと今シーズン、ジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車オレカ07・ギブソンをドライブしたトーマス・ローランを起用。ローランは午前中のセッションで1分43秒273を記録したが、午後は出走せず。1日の周回数は31周に留まった。
走行後、「トヨタのLMP1マシンで走るという夢が叶って、とてもうれしいよ!」とFIA WEC.comに語ったローラン。
「トヨタTS050ハイブリッドは驚くほど素晴らしかった。ダウンフォース、ブレーキ、ブーストと加速、そのすべてがとてもに印象的だったよ。まさに本物の武器だね」
今シーズン限りでLMP1クラスから撤退するポルシェは、1号車ポルシェにフォーミュラV8 3.5チャンピオンとなったフィッティパルディを起用。
こちらもラップ数はWECが規定する最低周回数の30周をわずかに超える程度となったが、午後に行なった計10周の走行ではセッションベストかつ新人勢最速となる1分42秒275をマーク。1日の総合タイムシートでもベルンハルト、ブエミに続く3番手となった。
このほか、LMP2クラスでは前日の最終戦でタイトルを決めたヴァイヨン・レベリオンが13号車オレカ07・ギブソンを使用してV8 3.5シリーズ2位となったマテボス・イサキャーンにテストドライブの機会を与え、LM-GTEプロのチャンピオンとなったAFコルセは51号車フェラーリ488 GTEにアルフォンソ・セリスJr.を迎えている。
そんなAFコルセと最終戦までタイトルを争ったポルシェGTチームは91号車、92号車、2台のポルシェ911 RSRをテストに投入したが、このうち91号車ポルシェについてはレギュラードライバーのリヒャルト・リエツ、フレデリック・マコウィッキのコンビに加えて、LMP1ドライバーのアール・バンバーとニック・タンディをドライブさせた。今シーズン最高峰クラスを戦った2名は91号車ポルシェでそれぞれ15周をラップしている。
LM-GTEアマクラスでは年間2位となったクリアウォーター・レーシングが唯一テストに参加。事前の暫定エントリーではAFコルセに名が記されていた石川資章とオリビエ・ベレッタが61号車フェラーリ488 GTEをドライブし、ベレッタが2分01秒805をマークした。