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『おそ松さん』カラ松声優・中村悠一、隙のあるクールキャラが似合う理由とは?

2017年11月20日 10:22  リアルサウンド

リアルサウンド

 現在放送中のアニメ『おそ松さん』2期で、六つ子の次男・松野カラ松を演じている、声優の中村悠一。毎シーズンのアニメに欠かさず出演するほどの人気を誇り、「ゆうきゃん」の愛称で親しまれている。『おそ松さん』にしても、線が細くてユニセックスな雰囲気をまとった男性声優が多いなか、髭スタイルでワイルドな面持ちの中村は、とりわけ異彩を放っているように感じられる。
 中村は、高校卒業後に代々木アニメーション学院に入学し、2001年の『電脳冒険記ウェブダイバー』で声優デビューした。だが、当時は吹き替え声優を目指していたこともあって、アニメの仕事というよりもナレーターとしての仕事の方が多かったそうだ。しかし、2007年に『おおきく振りかぶって』の阿部隆也役、『CLANNAD』の岡崎朋也役に立て続けに抜擢され、アニメ作品への出演を増やしていった。


参考:『おそ松さん』なぜクズなのに女性人気が衰えない? 6つ子に見る、ふとした「まっとうさ」


 中村が過去に演じてきたキャラクターは多岐にわたるものの、低く落ち着いた声質のため、大人っぽく、どこかクールな役どころが多い。たとえば、『氷菓』の折木奉太郎や『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の高坂京介のように、たとえ高校生役であっても、ハツラツとしているというよりはどこか冷めていて、世の中を達観しているような雰囲気のキャラが目立つ。


 “落ち着き”や“クール”といった声のイメージから連想されるためか、『マクロスF』の早乙女アルトや『CLANNAD』の岡崎朋也、『しゅごキャラ!』の月詠イクトのように、青髪のキャラも多い印象だ。さらに、今期『おそ松さん』のカラ松も、イメージカラーは青。カラ松はナルシストすぎて空回りしがちだが、六つ子の中ではクール(気取り)な役どころだ。


 また、来年1月からスタートするアニメ『封神演義』で中村が担当する楊戩も、またしても青髪。しかし、この楊戩しかり、中村が演じるクールキャラは、“隙”とも言えるような、どこか抜けた一面も持っているのが特徴ではないだろうか。


 中村自身、“イケメン”というよりは“男前”という言葉が似合うちょいワル風な容姿で、筋トレ好きとあって体型もガッシリとしている。しかし、ファンの間では「実はツンデレ」としても名高い。中村といえば、デビュー作『電脳冒険記ウェブダイバー』で共演以降、杉田智和と仲がいいことも有名だ。これまでにも、杉田との数多くのほっこりエピソードが語られているが、2016年に大流行した『Pokémon GO』では、ゲットしたゴーストの名前を「ゴー杉田ゴー」にするという、ラブラブかつお茶目な一面も見せた。


 さらに、中村は自他共に認めるゲーマーで、過去には『バーチャファイター』で全国大会に届くほどの腕前だったという。ここ最近では、『Fate/Grand Order』(FGO)に熱中しているようで、Twitterを見る限りでもかなりの廃課金勢だとうかがえる。その他のツイートも、自身の出演作に関するプロモーションというよりはゲーム関連の内容が多く、自由奔放なさまが垣間見えてとても微笑ましい。このように、飾らず趣味に奔走する点が親しみやすく、良い意味でルックスとのギャップが感じられる。それゆえ、隙のあるクールキャラも抜群にハマっているのではないだろうか。


 来期は『封神演義』のほか、『豚骨博多ラーメンズ』への出演も決定している中村。そのクールな演技はもちろん、プライベートでのゲーム活動についても、あたたかい眼差しで見守っていきたい。


■まにょ
ライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。