WEC世界耐久選手権第9戦バーレーンの公式予選が11月17日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス)がフロントロウの2番手を獲得した。8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/アンソニー・デビッドソン)は4番手につけている。
ル・マン24時間を除くWECのシリーズ戦では唯一のナイトランが行われるバーレーン。前日に行われた2回のフリープラクティスをともにワン・ツーで終えたトヨタは走行2日目の公式予選を迎えた。
日没後、すっかり闇に包まれた砂漠の中に煌々と灯りが照らされたサーキットでは現地時間17時30分にLMP1、LMP2両クラスの予選がスタート。2台のトヨタTS050ハイブリッドは2017年シーズン最後の予選で今季5度目のポールポジションを目指してコースインしていく。
ライバルのポルシェが先にラップタイムを記録していくなか、7号車トヨタのコンウェイが全体で2番手タイムとなる1分39秒台のタイムをマークしてトップに立った。
コンウェイからバトンを受け取ったロペスも1分39秒台中盤の好タイムを刻みトップを維持する。
しかしセッション終了間際、セッション開始早々にアタックを行なった1号車ポルシェ919ハイブリッドのニック・タンディが再度コースインすると、2度目のアタックを実施してパーソナルベストを更新。
この結果、ドライバーふたりの平均ラップで7号車トヨタは1号車ポルシェに0.263秒差で逆転を許し、ポールポジションを逃すこととなった。
「僕の予選アタックは、クリアラップを取るためにアウトラップでスローダウンをしたため、十分にタイヤを暖めきれず、第1セクターは完璧に攻めることができなかった」と語るのは暫定トップタイムをマークしたコンウェイ。
「残りのセクターはしっかり走れたからポールポジションを期待していたけれど、ライバル(の1号車ポルシェ)が3セット目の新品タイヤを投入してアタックしたために逆転されてしまった。決勝を重視する僕たちはそこまでのリスクを負えなかったよ」
チームメイトのロペスは、ポールポジションを逃したことをポジティブに捉えるコメント。
「このコースをLMP1カーで走ったのが初めてということを考えれば、マイク(・コンウェイ)からわずかコンマ2秒差のラップタイムを刻むことができたのは、満足行く結果だと思う」
「これまで何度もポールポジションからスタートを切りながらも、最大の目標である勝利を達成できていない。それだけに、2番手からのスタートとなる今度こそはチャンスがあると気持ちを切り替えているよ」
僚友の8号車トヨタは前半のアタックを担当した一貴がコース上の混雑に阻まれタイムを伸ばせず。
ここでチームは作戦を変更。ポールポジション獲得が困難と判断した時点で決勝レースに向けてタイヤを温存する戦略をとり、ステアリングを引き継いだデビッドソンに一貴が使ったタイヤのままアタックさせた。これにより、他車よりも新品タイヤを1セット多く残したまま4番手グリッドから決勝レースを迎えることとなる。
「僕の予選アタックはコース上の混雑に阻まれ厳しいものとなってしまいました」と一貴。
「決勝レースを優先して、予選は1セットしかタイヤを使わなかった決断が明日の決勝で良い方向に応えてくれることを願っています」
「全体的にはクルマの仕上がりに満足しています。予選はそれほど大きな比重ではないと割り切り、必ず良いチャンスがあると信じて決勝に臨みます」
WEC最終戦バーレーンは11月18日16時00分(日本時間22時00分)に6時間レースのスタートが切られる。