WEC世界耐久選手権は11月17日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで第9戦バーレーンの公式予選が行われ、今大会を最後にLMP1クラスから撤退するポルシェLMPチームの1号車ポルシェ919ハイブリッド(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ)がポールポジションを獲得した。総合2番手はTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッドがつけている。
気温27度、路面温度31度、ドライ路面というコンディションのもと、日没後の現地時間17時30分からセッションが開始されたLMPクラスの公式予選。
いつものようにピット出口シグナルがグリーンに変わると同時にポルシェ勢がLMP2マシンとともにコースイン。コース上がクリアなうちにアタックを行なっていく。
まずタイムを記録したのはブレンドン・ハートレーがドライブする2号車ポルシェで1分40秒285をマークして暫定トップに。続いて直後を走っていた1号車ポルシェのタンディが1分40秒725で暫定2番手につけた。その後ポルシェの2台はピットイン。後半のドライバーに交代していく。
一方のトヨタ勢は2台揃ってセッション開始から約3分後にコースインすると、まずは中嶋一貴が乗り込んだ8号車トヨタが2周目に1分40秒546というタイムでポルシェ勢の間に割って入った。
続く7号車トヨタを駆るマイク・コンウェイはこれを上回る1分39秒517をマークして一気に首位に浮上。セッション前半を終えた段階では7号車トヨタを先頭に両陣営が入り乱れる結果となった。
迎えた後半戦、タンディの後を継いだジャニが1分39秒084というスーパーラップを披露してドライバー2名の平均タイムを1分39秒904に伸ばす。僚友2号車ポルシェのティモ・ベルンハルトも1分39秒台のタイムをマークするが、アベレージで1号車ポルシェに届かず暫定3番手に後退。
暫定4番手につける8号車トヨタのアンソニー・デビッドソンが1分41秒003とタイムを伸ばせないなか、暫定ポールの7号車トヨタはコンウェイから交代したホセ-マリア・ロペスが1分39秒646の好ラップをマーク。アベレージタイムを1分39秒646としてポールを決めたかにみえた。
しかし、セッション残り5分というタイミングで1号車ポルシェがみたびコースイン。ポルシェにとって最後の予選でポールを獲得するべく、タンディがタイム更新を狙い2回目のアタックに入っていく。
1回目のアタックでは1分40秒台後半のタイムだったタンディだったが、再アタックでは自己ベストを1秒以上更新する1分39秒683をマーク。ジャニとのアベレージタイムを1分39秒383に伸ばし、見事ポールポジション奪取に成功した。
総合2番手は7号車トヨタ、3番手は前戦でシリーズチャンピオンを決めた2号車ポルシェがつけ、8号車トヨタは4番手となっている。
LMP2クラスは逆転でのタイトル獲得を狙うシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌA470・ギブソン(ニコラス・ラピエール/グスタボ・メネゼス/アンドレ・ネグラオ)と、ジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車オレカ07・ギブソンがフロントロウに並んだ。
その後方、クラス3番手にはランキングトップにつけるヴァイヨン・レベリオンの31号車オレカ07・ギブソンがつけ、ランキングトップ3がグリッド前方を占めている。
LM-GTEプロクラスではダビデ・リゴンとサム・バードがアタックしたAFコルセの71号車フェラーリ488 GTEが、クラス2番手を0.339秒引き離す1分56秒033をマークしてクラスポールポジションを決めた。
クラス2番手はアストンマーチン・レーシングの97号車アストンマーチン・バンテージ。クラス3番手にはフォード・チップ・ガナッシ・チームUKの67号車フォードGTが続いている。
ガルフ・レーシングの未出走により4台で争われたLM-GTEアマクラスはランキングリーダーのアストンマーチン・レーシング、98号車アストンマーチン・バンテージ(ポール・ダラ-ラナ/ペドロ・ラミー/マティアス・ラウダ)がクラスポールを獲得。澤圭太が所属するクリアウォーター・レーシングはクラス2番手の好位置につけた。
WEC最終戦バーレーンは18日16時(日本時間22時)に6時間レースのスタートが切られる。