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「エルメス狂い」港区セレブ主婦、ケリーバッグ、バーキンねだる日々…税金は?

2017年11月18日 10:42  弁護士ドットコム

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ケリーバッグ、バーキン。固有名詞を聞いただけで、仏の高級ブランド「エルメス」のバッグを連想する人は多いはずだ。100万円をこえるなど高額である上に、入手困難なことも憧れを強めるのだろうか。いつかは持ちたいと夢見る女性は多く、中古市場でも値上がりは続いている。


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東京都港区の専業主婦、E子さん(38)も、その1人。開業医の父は、E子さんが結婚後も、何かと「お小遣い」をくれ、母親も銀座や丸の内のブランドショップでの買い物にE子さんを誘い、一緒に買い物をしてくれることもある。この数年、狙っているのは、バーキンだ。E子さんは「確実に希望のものを手に入れるため、上客になるしかない」として、両親に頼み込んでエルメスの顧客として認められるよう買い物をせがんでいる。


「このままではバーキンを手に入れる前に、バーキン以上の金額を投資してしまいそうです」と話す程だ。


E子さんは「新品」にこだわっているが、中古市場にシフトするファンもいる。しかし、中古市場も「お買い得価格」ではないようで、購入した以上の価格で流通することもある。こうしたことから、バーキンやケリーバッグを株式、債権と同様に「投資商品」とみなす雑誌記事もあるほどだが、「投資商品」であれば、贈与税や相続税はかかってしまうのだろうか。小野郁子税理士に聞いた。


●プレゼントとされたら、贈与税はかかるのか?

「エルメスのバーキンは新品に限らず中古でも高額で取引されます。両親がバッグを購入してE子さんへプレゼントした場合、贈与となり、贈与税が課される事になります。社会通念上相当と認められるプレゼントには贈与税は課されませんが、エルメスのバッグは高額なため、社会通念上相当と認められるのは厳しいでしょう。


贈与税は年間110万円まで非課税ですが、バーキンの場合100万円超となる事もありますので、贈与税が課される可能性があります。ここでの110万円の非課税枠は贈与を受ける方が1 年間に受け取る総額をさします。E子さんが父から100万、母から50万の贈与を受けた場合は、計150万円となり、贈与税が課税される事になります。


具体的に150万円の贈与を受けた場合の贈与税の税額計算は以下の通りです。


150万円(その年分の贈与財産の価額の合計額)-110万円(基礎控除額)=40万円、


贈与税の税率:基礎控除後の課税価格200万円以下の場合、税率は10%


40万円×10%=4万円


翌年の2/1~3/15までに贈与税の申告及び納税4万円が必要となります」


●中古でも贈与税はかかる?

では新品ではなく、両親が購入しして使用した後、E子さんに譲り渡した場合にはどうか。


「両親がバーキンを使用した後、E子さんに譲り渡した場合でも、中古として時価評価して贈与税が検討される事になります。バーキンの場合、中古でも買取価格が高く維持されている事が多いため、贈与にあたると判断されることも多いでしょう。


もちろん両親が亡くなった後、E子さんがバーキンを相続した場合も、相続財産として時価評価し、他の相続財産とともに相続税が課されることになります」


【取材協力税理士】


小野 郁子・税理士


港区品川駅の女性税理士。法人・個人の税務・確定申告、法人化のご相談の他、国際税務やクラウド会計導入についてもサポート。


事務所名   : 小野郁子税理士事務所


事務所URL: https://sub.shinagawatax.com/


(弁護士ドットコムニュース)