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山縣良和の作品から"装飾の意義"を問う、東京都庭園美術館で展覧会「装飾は流転する」が開幕

2017年11月18日 09:43  Fashionsnap.com

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リトゥンアフターワーズ2010年春夏コレクション「神々のファッションショー」より Image by: FASHIONSNAP
約半年間休館していた東京都庭園美術館が、再オープン後第1弾となる展覧会「装飾は流転する―『今』と向き合う7つの方法」を11月18日にスタートする。「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」デザイナーの山縣良和をはじめとする7組のアーティストが出展。国籍や年齢が異なる作家の作品を通じて、現代の多様な「装飾」表現と向き合う内容になっている。

 山縣良和の展示作品は最新作を含む13点で、主に2階に展開されている。階段を上がってまず目に飛び込んでくるのは、2010年春夏コレクション「神々のファッションショー」から新たに制作された5体。続いて、これから家出すると決めた女の子が眺めるレースの地球儀と地図を表現した2007年春夏コレクションのインスタレーション「before running away from home」や、パリで発生したシャルリ・エブド襲撃事件に心を寄せた2015年秋冬コレクション「Save the Earth」の地球ルック、2018年春夏コレクション「After Wars」のインバネスコートなどが並べられている。詩人の谷川俊太郎やヘアスタイリストの加茂克也らとのコラボレーション作品も制作された。最後のコーナーには2013年春夏コレクション「THE SEVEN GODS -clothes from the chaos-」から服の神様を表現した「七服神」を展示し、ファッションとは何か、そして装飾とは何かを問いかけている。同展を担当したキュレーターは、山縣を選んだ理由について「人は何も手がかりがないことについて考え続けることは難しいが、装飾があることで興味を持って考えることができる。その力を山縣さんの作品から感じた」と説明している。
 日本からはこの他、双子のアーティストユニット高田安規子・政子と山本麻紀子が参加。海外からは「リモワ(RIMOWA)」のスーツケースやタイヤにイスラム装飾を施した作品を展開するベルギー出身のヴィム・デルヴォワや、ペルシャ絨毯をモチーフにした絵画作品で知られるコア・ポア、死をテーマにした映像作品を発表するタイ人アーティストのアラヤー・ラートチャムルーンスックが出展し、ニンケ・コスターは日本とオランダの歴史的シンボルである出島が着想源の作品などを展示している。会期は2018年2月25日まで。
 旧朝香宮邸がアールデコ様式の建物であることから、樋田豊次郎館長は「装飾」をテーマに掲げた同展を「当館にとってベーシックな展覧会」と捉える。今後も装飾を根に据えた企画を打ち出していく考えだ。
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■装飾は流転する―「今」と向き合う7つの方法会期:2017年11月18日(土)~2018年2月25日(日)86日間会場:東京都庭園美術館住所:東京都港区白金台5-21-9休館日:第2・第4水曜日および年末年始(2017年12月27日(水)~2018年1月4日(木))開館時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)     ※11月23日(木)~25日(土)は20:00まで開館観覧料:一般 1,100(880)円    大学生(専修・各種専門学校含む)880(700)円    中・高校生・65歳以上:550(440)円    ※()内は前売りおよび20名以上の団体料金
東京都庭園美術館:公式サイト