最終コーナーでクラッシュしてしまった関口雄飛(B-MAX Racing Team) 第64回マカオグランプリは11月17日、ギア・サーキットでFIA F3ワールドカップの予選2回目が行われたが、日本勢最上位となる8番手につけた関口雄飛(B-MAX Racing Team)は、チェッカー間際に最終コーナーで激しくクラッシュしてしまった。
2年ぶりにマカオに挑戦している関口は、マカオ制覇を悲願とするB-MAX Racing Teamとともに、優勝を目標に参戦。11月16日のフリープラクティス1こそセッティングに苦しんだものの、予選1回目に向けたセット変更が功を奏し、ヨーロピアンF3のランキング上位ドライバーたちとともに、トップを争う存在になっていた。
16日の予選1回目の後には、車検でタイム抹消の憂き目にあったものの、17日のフリープラクティス2でも2分13秒122をマークした関口は、迎えた午後の予選2回目で、さらに上位を狙うべくコースインした。
ただ、その直後に「予選の入りは最悪でした」というアクシデントが起きる。前を行くマシンとの意思疎通がうまくいかず、リスボア・ベンドで接触してしまったのだ。「どちらが悪いというわけではない」と関口は言うが、これによりフロントウイングとサスペンションアームを破損。ウイングはすぐに交換できたが、アームがわずかに曲がったままの予選を強いられた。
この日の予選2回目では、終盤までに三度の赤旗が出るが、グァンユー・ヂョウ(SJMセオドール・レーシング・バイ・プレマ)がクラッシュした後、残り5分で予選が再開された。その段階で関口は、アームが曲がった状態で、2分11秒559というタイムをマークしており、8番手だった。
さらなるポジションアップを狙った関口はチェッカーまでのわずかな間にアタックを展開したが、コクピット内のモニターに、タイムの表示が出ない。いったい今、タイムを削っているのか、それとも遅いのか……!? 関口は、走行初日から攻めていなかった最終コーナーを、100%の力で攻め抜けようとした。しかし、わずかにアウトにはらんだマシンはバリアに接触。リヤを大きく壊してしまい、関口は大いに悔しそうなジェスチャーをみせた。
実は予選後にデータを見ると、その周、ベストとなった2分11秒559よりもコンマ4秒速いペースだったという。「最終コーナーは攻めなくても良かったかもしれませんね」と関口は予選後振り返った。
「“タラレバ”にはなってしまいますが……。もし最終コーナーを攻めてうまくいき、アームが曲がっていなかったら、ポールポジションもいけたと思います」と関口は言う。
「だからこそ、速さがあっただけに悔しいですね」
とは言え、8番手グリッドというポジションは、マカオというレースの性質を考えれば悪い位置ではない。しかし関口は、予選で履いていたニュータイヤがクラッシュで使えなくなってしまったことなどもあり、「守りのレース」になるのではと予想する。
「でも苦しい部分はありますが、レースでは混乱もありますから。あきらめずに頑張ります」