11月17日に競技初日が行われたWRC世界ラリー選手権の第13戦オーストラリア。このイベントに2台のトヨタ・ヤリスWRCを投入するTOYOTA GAZOO Racing WRTは、ヤリ-マティ・ラトバラが総合4番手、エサペッカ・ラッピが総合11番手につけた。
2017年シーズン最終戦となるラリー・オーストラリアはサービスパークが置かれるコフスハーバー北側のエリアが主な舞台。森林地帯で6SSが行われ、その後コフスハーバーの沿岸部で2台同時並走のスーパーSSが2SS行われた。
ラトバラはオープニングのSS1でインターコムにトラブルが出て、コドライバーとの通信が途絶。ペースノートの読み上げを聞けない状況での走行を強いられてしまう。
SS1を走り終えた後に予備パーツを使用したことで、通信は回復。しかし、このSS1でボディワークにダメージを抱えてしまい、午前中の走行を終えた時点では総合6番手となる。
しかし、メカニックが日中に設けられたサービスタイムでマシンを修復すると、ラトバラは本来の速さを取り戻しペースアップ。総合4番手までポジションを上げて初日を走り終えた。
チームメイトのラッピは午前のセクションでパワーステアリングにトラブルを抱えて出遅れたものの、サービスでメカニックが問題を解決。総合11番手で走行を終えている。
指揮を執るチーム代表のトミ・マキネンは「朝は2台に異なる問題が発生したが、午後は良い展開になったと思う」と語った。
「オーストラリアはとてもチャレンジングなラリーだと言われているが、今日はまさにその通りの1日になった」
「選手たちは本当に頑張ってくれたが、我々のメカニックも選手に勝るとも劣らない良い仕事をしてくれた。午後の好調な走りは、彼らの素晴らしい作業に支えられてのものだからね」
ラトバラは「全力で攻めている時こそコドライバーの指示が重要になるが、声が聞こえずに苦労した」とインターコムに不備が出たSS1を回想。
ラッピは「パワーステアリングが正常に働かないと、グリップがきちんと感じられないことが分かり、ある意味とても新鮮だった。明日からはクルマの限界まで攻め、最終日のパワーステージでは最大ポイントを獲得できるように頑張りたい」とコメントしている。
競技2日目となる18日はコフスハーバーを中心に8SSが行われる。このうちSS9“ナンブッカ17”は今大会最長の48.89kmを走る超ロングステージだ。
全8SSの合計は140.27km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は428.64kmと今大会最長距離を走る1日がドライバーを待ち受ける。