メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1ブラジルGP決勝で、最下位から追い上げていくうえでオーバーテイクをしていくのに特に苦労はしなかったとして、DRSの力を借りて追い抜きをするしかないのが今のF1の問題点のひとつであると語った。
ハミルトンは土曜予選でミスを犯してクラッシュを喫し、Q1で敗退、決勝はピットレーンからのスタートとなり、懸命に追い上げをしていかなければならなかった。
ハミルトンはライバルをひとりずつ抜き去り、最終的に4位でフィニッシュしたが、追い抜きは特に難しくなかったと語った。
「正直言って、どのオーバーテイクにも特に興奮はなかった」とハミルトン。
「僕はDRSはあまり好きじゃない。確かにDRSはオーバーテイクを可能にするデバイスだ。でも、F1マシン全体のコンセプトの根本的な欠陥、つまり他のマシンの後ろにぴったりついて走ることができないという問題にバンドエイド(絆創膏)を貼るようなものだ」
「前のマシンに近づいていってDRSを使うというのは、ゴーカートで追いついて自分の力で追い抜くのとは違う」
ハミルトンは、ドライバーとして満足できたオーバーテイクは、ターン1のアウト側からフォース・インディアのセルジオ・ペレスを追い抜いた時のアクションだけだと語った。
「あの追い抜きにはとても満足している。でも、できたらいいなと思っていたような、華々しいオーバーテイクのアクションは他には全くなかった」
「このコースは追い抜きが難しいところだけど、他のサーキットに比べれば、必要なタイム差は小さくて済む」
「僕たちが行くほとんどのサーキットでは、前のクルマをオーバーテイクするのに1.5秒かそれくらいの差が必要だ」
「1.5秒速くなければならないし、タイヤ全体を酷使することになる」
「つまり明らかに今年のF1マシンのデザインに弱点と欠陥があるということだ。今年のマシンは素晴らしいけど、そこが将来において改善の余地がある領域だ」