11月16日、WEC世界耐久選手権第9戦バーレーンのフリープラクティス1回目、2回目(FP1、FP2)が行われ、TOYOTA GAZOO Racingは両セッションで7号車トヨタTS050ハイブリッドと8号車トヨタTS050ハイブリッドがワン・ツーを記録し、中嶋一貴駆る8号車トヨタが初日のトップにつけた。
4月16日にイギリス・シルバーストンで開幕した2017年のWEC。約7カ月をかけて世界各地を転戦してきたシーズンは今週末、バーレーン・インターナショナル・サーキットで閉幕する。
トヨタが挑んだLMP1クラスのチャンピオン争いは11月5日に行われた前戦上海ラウンドで決着し、ドライバーズ、マニュファクチャラーズの両タイトルがライバルのポルシェLMPチームの元へ渡った。
そのポルシェは今年9月、2017年シーズン限りでのLMP1活動休止を表明。シーズン最終戦となる今大会はトヨタとポルシェによる最後のワークス対決となると同時に、現在4勝ずつで並ぶシーズン勝利数をかけた最終決戦でもある。
富士、上海で連勝し波に乗るトヨタは、今回もマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組の7号車トヨタと、セバスチャン・ブエミ/一貴/アンソニー・デビッドソン組の8号車トヨタの2台体制で参戦。
迎えた初日のFP1は、今季4度のポールポジションを奪っている7号車トヨタがまずトップタイムをマークし、8号車トヨタがこれに続いた。
今大会に向けて空力の改良を施したチームは、続くFP2でもコースに合わせた車両セットアップ、ならびにタイヤのチェック作業を実施。そのなかで中嶋一貴がドライブする8号車トヨタが全体ベストタイムとなる1分40秒095をマークしていく。
この直後、7号車トヨタを駆るホセ-マリア・ロペスも僚友に続く1分40秒693を記録。ポルシェ勢が総合3、4番手となったことからFP1に続き、トヨタがワン・ツーでこのセッションを終えることとなった。
「順調な一日で、クルマのバランスにも満足しています」と語るのは初日総合トップタイムをマークした一貴。
「とはいえライバルも相変わらず僅差で追ってきていますので、全てを完璧に進めて予選でトップを取り、そしてもっとも重要な決勝レースに臨まなくてはなりません。まだ改善の必要がありますが、まずは順調な出だしとなりました」
チームメイトのブエミも「今年もっとも順調なレースウイーク初日だった」とクルマの順調な仕上がりに自信を覗かせる。
「ショートランでもロングランでも速かったと思う。今日ここまでの状況は前戦上海と同じよう感じだから、明日はポールポジションを獲得して勝利へ結び付けられるとベストだね」
また、総合2番手で初日の走行を終えた7号車トヨタの可夢偉も「今日一日、とても順調でほっとしています」と安堵のコメント。
「通常、レース初日は、セットアップやバランス向上のためにやることがとても多いのですが、今日の全体的な仕上がりには満足しています。ラップタイムも悪くありませんが、明日、明後日へ向け一層の努力を続けます」
WEC第9戦バーレーンは17日(金)、午前11時20分(日本時間17時20分)から公式練習3回目が、同17時30分(同23時30分)から20分間の公式予選が行われる。