人手不足を解消するために、外国人労働者を受け入れる流れが加速しそうだ。日本商工会議所は11月16日、「今後の外国人材の受け入れのあり方に関する意見」を発表した。
同意見書では、人手不足を背景に外国人労働者が年々増加し、2016年10月末には初めて100万人を突破したと指摘。今後、より多くの外国人材を受け入れるため、就労が認められる在留資格を見直すように要請した。
「大卒もしくは10年以上の実務経験といった技術者受け入れの条件を緩和してほしい」
同会議所が今年7月に発表した「人手不足等への対応に関する調査」によると、回答した2776社のうち60.6%の1682社で「人員が不足している」という。業種別に見ると、特に宿泊・飲食業、運輸業、介護・看護、建設業での人手不足が深刻だ。
人手不足の解消に向け、より多くの外国人を雇用したいところだが、現在、就労が認められる在留資格の付与には様々な条件が課されている。そこで同会議所は、受け入れの条件を緩和するよう求めているのだ。
同会議所の担当者は、キャリコネニュースの取材に対し、
「例えば『技術・人文知識・国際業務』という在留資格では、大卒以上もしくは10年以上の実務経験を要件としています。プラント設計の図面を引けるような人ならこの要件を満たせますが、図面に基づいて施行をする人は条件を満たせません。こうした厳しい条件を緩和してほしいのです」
と説明した。「生産や施行等の現場作業」をする労働力を外国から受け入れたいという考えだ。
「賃金を上げられないブラック企業は倒産させた方がいい」
報道を受け、ネットでは「給料上げれば人は集まるよ」「賃金上げればいいだろ」という声が相次いでいた。人手不足解消のためには、待遇を改善するべきだというのだ。「人手不足」というよりは、「低賃金で長時間重労働してくれる若くて健康な奴隷が足りない」「低賃金の労働者不足な」と皮肉を言う人も多かった。
また「日テレNEWS24」(日本テレビ)が、外国人受け入れの背景として、人手不足倒産の増加を指摘したことから、
「賃金をあげれないブラック企業は倒産させた方がいいだろ」
「人手不足で倒産するのは経営効率の悪い企業だろ」
といった声も多かった。乱暴な意見にも思えるが、人手不足でも給与を上げられない企業が淘汰されれば、労働条件が底上げされる可能性がある。逆に、劣悪な環境でも低賃金で働く外国人労働者を受け入れてしまえば、日本人の給与が上がることもなくなるだろう。
外国人の受け入れ拡大を求めているのは、日本商工会議所だけではない。日本フランチャイズチェーン協会は今年9月、「外国人技能実習制度」の対象職種にコンビニの店舗運営を加えるよう厚生労働省に申請すると発表。ネットでは「技能実習制度という名を借りて低賃金労働者を外国から獲得しようとするのをやめませんかね」といった批判が殺到していた。