「初デートにサイゼリヤはアリかナシか?」が、夏頃からしばしばネットで論争になっている。11月12日にはライターのトイアンナさんがこんなツイートをして再び話題になった。
「女性はサイゼだろうが吉野家だろうが初デートに誘われたら『うん…』とついていき、それなりに楽しそうに振る舞い、帰ってから『ありえないよね?』と友達に確認して静かにフェイドアウトするので男性はデートの改善点を永久に指摘されないという問題がある」
これに対して、11月15日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で、作家の室井佑月さんが異を唱え、「好きな男と行くならどこでもいい」などとコメントした。(文:篠原みつき)
「イヤだと思う人だったらタクシーに一緒に乗るのもイヤじゃん」
番組で取り上げたのは、冒頭のトイアンナさんのツイートのほか、こんなリプライだ。
「食べログなりで調べれば、ランチで雰囲気がよくて千円いかない所なんていくらでもある。だから『店が安いこと』に失望してるんじゃなくて、『どうやったら相手が喜ぶか、楽しく時間を過ごせるか配慮する気が一切ない』ことに失望するんだと思う」
言いたいことは分かるが、一方的に男性側がおもてなしすべきという主張にも見えるので、反感を持つ人もいるだろう。ネットでは賛否両論が繰り広げられている。
これに室井佑月さんはとても納得がいかないという顔で、「ウソウソ~」と繰り返し、サイゼリヤはつまみがいっぱいあるからけっこう好きだと発言。
「だいたい好きな男と行くんだったら、うどん屋だろうが食べ放題の焼き肉だろうが楽しいし、イヤだと思う人だったらタクシー一緒に乗るのもイヤじゃん」
と語った。番組アシスタントの祥子ちゃんも、「室井さんと一緒、食べ物よりも誰と食べるかのほうが大事だから」と賛同した。
実は筆者も夫との初デートがサイゼリヤだったので、アレッ世間的にサイゼリヤはダメですか…と焦った。調べてみると当時はまだ130店舗ほどしかなかったので、チェーン店であることすら知らなかった。年齢も20代前半で、初めて来店したのでまったく気にしなかった。
しかし、いまや国内店舗1300店を超えるリーズナブルで気軽なファミレスである。今なら、そしてもし30歳前後なら、ちょっと話が違ってきたかもしれない。ただ、おごってもらうつもりもなく、恋愛がまだ始まるか分からないという段階だったので、却ってちょうどいい店だったような気がする。
「初めてのデートでポルノ映画に行ってしまう」ようなもの?
だが、ラッパーの宇多丸さんは室井さんの意見に「『好きなら』と言ってしまえば話は終わっちゃうけど」と前置きし、まだ相手を探っている状態でサイゼリヤや吉野家とか連れて行かれたら、「この人距離感のつかめない人なんだ」と思われてしまうと指摘。
映画『タクシードライバー』を例に出し、初めてのデートでポルノ映画に行ってしまう主人公の話をしていた。悪意があるわけではなく、いつも行っている映画館でそこしか知らないから連れて行っただけだが、そのように「距離読めない人だと思わせちゃうのがダメだってこと」と評していた。
それでも、室井さんは「でも気にしないよね」と不満そうな様子だった。筆者も「好きなら」に同感だが、微妙な関係の場合はなんとも言えないところがある。賛否両論は続きそうだ。