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スーパーGT:30号車TOYOTA PRIUS apr GT 2017年第8戦もてぎ レースレポート

2017年11月16日 16:02  AUTOSPORT web

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スーパーGT:30号車TOYOTA PRIUS apr GT 2017年第8戦もてぎ レースレポート
2017 AUTOBACS SUPER GT ROUND 8
ツインリンクもてぎ

開催地:ツインリンクもてぎ(栃木県)/4.801km
11月11日(予選)天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:1万9500人
11月12日(決勝)天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:3万6000人

 ツインリンクもてぎを舞台に、スーパーGTシリーズの最終戦、『MOTEGI GT GRAND FINAL』が11月11~12日に開催された。全8戦での開催が予定されるシリーズに、今年もaprは2台のトヨタ・プリウスZVW51を走らせ、『#30 TOYOTA PRIUS apr GT』を昨年に引き続き、永井宏明選手と佐々木孝太選手に託すこととなった。

 タイのチャーンインターナショナルサーキットで行われた第7戦は、予選13番手からのスタートとなり、当初はドライコンディションでの力走が期待されたものの、グリッドに着いて間もなくスコールに見舞われ、ウエットコンディションに転じてしまう。

 そこで『#30 TOYOTA PRIUS apr GT』は、ライバルの多くがウエットタイヤで挑む中、ドライタイヤを選択。だが、予想していた以上に路面は濡れており、乾きも遅かったことから6周目には周回遅れとされてしまう。

 それでも10周ほどするとドライタイヤ装着車両のタイムが、ウエットタイヤ装着車両のタイムを上回るようになり、そこからは激しい追い上げを見せることとなった。が、佐々木選手から永井選手に交代すると、序盤のうちに抱えた遅れは予想以上だったことが明らかに……。

 その結果、16位という結果に終わることとなった。しかし、トラブルを一切抱えることなく完走を果たしたことは、今回に向けて期待材料のひとつ。

 ストップ&ゴーの繰り返されるツインリンクもてぎにおいて、第6戦から非装着のハイブリッドシステムによる、モーターアシストを得られないのは痛手ながら、この最終戦はノーハンデマッチで、しかも通常より50km少ない250kmで争われることから、荒れ気味の展開となることが多い。

 しっかり完走を果たせば、きっと結果も伴うはず! 終わりよければ、すべて良し。まさにそんな締めくくりとなることが期待された。

公式練習11月11日(土)8:45~10:20
 公式練習は開始早々にコースアウト車両があり、赤旗中断があったものの、今季最後の戦いということもあって、それぞれの集中力は極限にまで達していたのだろう。さらになんとしてでもマシンの戦闘力を最大限に引き出してやろうという思いからか、その後の赤旗中断はなし。

 コース習熟にも、セットアップにも最高の条件となっていた。しかも始まりの頃は曇りだった天気が、やがて日差しも注がれるようになったことが、そういった条件に拍車をかけた。

 最初に『#30 TOYOTA PRIUS apr GT』をドライブしたのは佐々木選手。3周した後、ピットに戻り、大掛かりなセット変更が行われる。だが、その甲斐あって再びコースに戻った時には、1分49秒353をマークした佐々木選手。そこから先は決勝セットが詰められることとなった。

 そして、1時間を経過したあたりで永井選手にバトンタッチ。そこからチェッカーまで、さらに続けて行われたサーキットサファリまで走行を担当し、マシンやコース習熟に時間は費やされていた。

公式予選Q1 11月11日(土)14:00~14:15
 今回もQ1担当は佐々木選手。上空に青空の広がったツインリンクもてぎは、天気予報で言われていたような雨の心配は、もうなさそうだ。しかし、気温や路面温度は、この時期どおり低かったこともあって、ウォームアップはいつもよりも入念に行われ、計測3周目から『#30 TOYOTA PRIUS apr GT』はアタックを開始した。

 まず1分48秒722をマークした佐々木選手だったが、続いてのアタックでは1分48秒785に甘んじてタイムアップならず、これ以上の手応えを得られなかったこともあり、チェッカーを待たずしてピットに戻ってくることに……。Q2に控える永井選手にバトンを託すことも許されず、23番手という結果に終わっている。

永井宏明選手
「ハイブリッド非搭載ではこのサーキットは非常に厳しいと予想していましたが、その通りの結果となりました。性能的に厳しくても、決勝に向けては、チームの総力を挙げて挑みますので、最後まであきらめず有終の美を飾りたいです」

佐々木孝太選手
「ハイブリッドが無くリスも小さいままで、そこに高回転エンジンのみは、立ち上がりで大きなタイムロス。この結果以上はさすがに厳しいです。最終戦、どうしても結果が欲しいので、厳しいと言ってばかりではなく作戦含めてなんとか入賞を狙いたい」

金曽裕人監督
「ポール記録保持者の佐々木選手が本気のアタックをしてもこの結果、、、。想定よりも厳しいですが、そんな 1 年もあると受け止めています。でも、今年は永井選手の急成長も実感しておりますので決勝に向けては全然諦めていない。一番効率の良い、一番結果に近い作戦を立てて明日の夕方にはチーム全員で笑っていたいと思います」

決勝レース(53周)11月12日(日)13:30~
 決勝レースを前にして行われる20分間のウォームアップで、最初に『#30 TOYOTA PRIUS apr GT』に乗り込んだのは、スタートを担当する佐々木選手。始まって間もなくコース上での接触があり、赤旗が出されて出鼻がくじかれるシーンもあったが、3分間の延長で再開された。

 佐々木選手は1分49秒680と、決勝を想定したセットで上々のタイムを記し、後半はドライバー交代の練習を兼ねて永井選手が走行した。準備は万端。決勝レースでの激しい追い上げが期待された。

 フォーメーションラップの後、グリーンシグナルの点灯とともにレースが開始され、佐々木選手はまずはポジションをしっかりとキープ。それから間もなく、先行する車両がペナルティで、ドライビングペナルティを課せられたことから、ひとつポジションを上げることとなった。

 前から遅れることなく周回していたことから、隙を見て逆転を狙っていた佐々木選手に、まさかの事態が。早くも後方から迫ってきたGT500車両と接触し、S字コーナーでストップ。復帰はかなわず、わずか5周でレースを終えることとなった。

 ここまで苦しいことばかりだった今シーズンだけに、最後はきっちり完走を果たして、終えたいところだったのだが。これもレースと割り切ることはできないが、シーズンを終了することとなった。

永井宏明選手
「リタイアもレースだから仕方がないが、最終戦で1周も走れなかったことが残念でならない。今年は、性能的にも厳しく苦しい1年であったが自分なりにドライビングパフォーマンスは上げられたと思います。でも結果以上に得られたものは大きく来年に繋がっているはずです」

「1年間応援くださった皆様に心から感謝するとともに、来シーズンご期待ください。必ず今年以上の成果をお約束いたしますので」

佐々木孝太選手
「GT500との接触で左後ろの足回りが壊れ、リタイアとなり心から申し訳ございません。決勝前まで色々とセットを変更し、予選よりは、パフォーマンスは良くなってたと思いますが、完走も出来ず、永井さんにもバトンを渡すことも出来ず、、、、」

「今年1年、非常に厳しかったのですがチームワークも雰囲気も良く、いつも前向きに挑んでくれた皆様、応援くださった皆様に心から感謝いたします。来年は、もっともっと全体のパフォーマンスを上げ皆様に喜んで頂けるようにオフシーズンを積極的に過ごしたいと思います」

金曽裕人監督
「佐々木選手と永井選手のパフォーマンスだと今年は表彰台が狙えると思い毎戦挑んできましたが、全ての環境を整えることができず結果は散々であった。応援くださった皆様と、両選手に申し訳なく僕自身が一番の反省をしています。このままで終わるチームではございませんので、必ずチーム、ドライバー、マシンパフォーマンスを向上させ来期リベンジ致しますのでご期待ください。」