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乃木坂46・西野七瀬、『電影少女』では“お色気シーン”への期待も? ドラマ評論家が考察

2017年11月16日 13:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 乃木坂46の西野七瀬が、テレビ東京系で2018年1月クールに放送される土曜ドラマ24『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』で、“ビデオガール・アイ”役を演じることが発表され、話題となっている。


参考:西野七瀬、『電影少女』主演に「一所懸命やるしかない」


 『電影少女』は、1989年から1992年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載された、桂正和の代表作で、今回のドラマでは2018年リブート版として、原作から約30年後の現代が舞台となる。両親の離婚を機に、絵本作家の叔父・洋太の空き家で一人暮らしを始めたごく普通の高校生・弄内翔と、テープが入ったままの壊れたビデオデッキから飛び出してきたビデオガール・天野アイの3か月に及ぶ奇妙な共同生活を描く。


 ドラマ評論家の成馬零一氏に、本作への期待を聞いた。


「原作の『電影少女』は当時のジャンプ漫画の中で異彩を放っていた作品で、連載時に小中学生だった私にとっては、表立って好きだとは言い難い作品でした。というのも、『電影少女』はそのタイトル通り、あからさまにアダルトビデオを連想させる性的な作品でしたし、桂正和先生による圧倒的な画力で描かれた女の子たちの姿は刺激が強すぎました。同級生に読んでいることが知られたら、エロいやつだと思われてしまうんじゃないかと不安を抱えながら、こっそりと読んでいた記憶があります(笑)。一方で、本作で描かれるファッションやインテリアはとても洗練されていて、当時の私よりも、もう少し上の高校生から大学生の世代にとっては憧れを抱かせる作品でもあったと思います。


 そんな本作がいま、実写ドラマ化されるのはとても興味深いところです。人間と、人工的に作られた美少女との恋愛というテーマは、バーチャル・リアリティーが発展している現代の方が、むしろ説得力を持つかもしれませんね。また、上手いやり方だと思ったのは、原作の舞台を単に現代に置き換えるのではなく、リブートの続編としているところ。90年代のキュートで刺激的なヒロインが現代に出てきたらどうなるのか、という部分を描くことによって、ある種のノスタルジーを喚起させる作品になりそうです」


 主演の西野七瀬ほか、キャストやスタッフ陣にも期待がかかると、同氏は続ける。


「『電影少女』に登場するキャラクターには独特のテンションがあり、普通に描いたら浮いてしまいそうなのですが、桂正和の精緻な絵によって絶妙にリアリティーを保っていました。この雰囲気を実写で表現するとなると、監督にはリアリティーラインを正確に見極める力量が必要とされますが、PerfumeのMVなどを手がけてきた関和亮さんが手がけるとのことなので、とても楽しみです。原作にあったデジタルな感覚をうまく活かして、アイたちのキャラクターを魅力的に表現してくれることを期待したいですね。


 清純そうなルックスの西野さんがアイ役を演じるのは意外でしたが、うまくハマれば乃木坂46メンバーの役者としての可能性を一気に拡げるかもしれません。『電影少女』はお色気シーンも大きな魅力のひとつです。乃木坂46は白石麻衣の写真集の成功以降、写真集ラッシュが続いていて、清楚なアイドルが色っぽい水着や下着姿を披露するという最強の組み合わせでグラビア界を席巻していることを考えると期待できます。


 近年は制約が厳しくなってきているテレビドラマですが、もしかしたらすごいことをやってくれるのではないでしょうか。勢いに乗っている乃木坂46ですが、女優としての進出はまだまだこれからなので、本作において西野がどこまで攻めた芝居ができるかかによって、世間の彼女たちの役者業に対する評価も変わるのではないかと思います。まだ追加キャストが発表されていませんが、他の乃木坂メンバーが別のヒロイン役で出る可能性もありますし、色々と楽しみです」


 ドラマ版の『電影少女』は、さまざまな角度から語ることのできる作品となりそうだ。(松下博夫)