いまは小学生でも、スマートフォンを持っている子どもは少なくありません。小学生の子を持つ筆者も、ゲームやSNSばかりやっていて勉強する時間がなくなる、家族とコミュニケーションを取ることなくネット動画を見続けるなど、問題をよく見聞きします。
ジュピターテレコム(J:COM)は11月14日、全国の15歳~69歳のスマートフォンユーザーを対象に実施した「ギガ消費実態と中古スマホ利用意向に関する調査2017」の結果を発表しました。調査は10月6~10日、インターネットで1,000人から回答を得ています。
若年層のスマホの使い方や、子どもにスマホを持たせている親が、対策を取っている割合などが明らかになりました。(文:篠原みつき)
スマホで動画視聴の割合は、10代女子がもっとも高い
スマホで動画を視聴している人は全体で68.7%と7割弱で、多くの人が何らかの動画を日常的に見ていることが分かります。男女とも若い世代ほど高くなる傾向にあり、最も高かったのは10代女性で95.3%にも及びました。10代女子はスマホで動画視聴が当たり前の時代のようです。
1日のスマホ動画視聴時間は平均41.4分ですが、10代はおよそ3人に1人が120分以上、平均は82.1分でした。1時間半~2時間くらいですが、部活に勉強に忙しい今の子どもたちがそれだけの時間を費やしていると考えると、少し心配になります。
子どもがいる人を対象に、「子どもがスマホでネットを使いすぎないようにする対策」について聞くと、対策をしている保護者の割合は、小学生(80.2%)、中学生・高校生(62.5%)、大学生は(30.4%)でした。
同調査は「子どもが成長するにつれ対策をしないようになる傾向にあるようですが、大学生に対しても何らかの対策をしている保護者が少なくないことがわかりました」と分析しています。
通信容量に制限がかかる「ギガ死」を避ける対策も
具体的な対策は、小学生から大学生まで1位が「使いすぎていたら注意している」でした。小学生は(45.5%)、中高校学生(38.6%)、大学生(21.7)となります。筆者が個人的に感じるのは、これは日常の中で当然行っていることで、対策とまで言えるかどうか。聞き入れるかどうかは人それぞれです。
違いは2位以降からで、小学生は
「自分専用のスマホを持たせていない」(33.7%)
「利用時間を制限している(1日時間を過ぎたら使用禁止など)」(15.8%)
「利用環境を制限している(動画を見るときはWi-Fiが使えるところでなど)」(15.8%)
「利用時刻・シーンを制限している(食事中や夜〇時以降は使用禁止など)」(13.9%)
でした。Wi-Fi利用は、家族でシェアしている通信容量に制限がかかる、いわゆる「ギガ死」を避ける対策でもあります。
中高校生の2位以降は「利用時刻・シーンを制限」(15.9%)、「利用環境を制限」(14.8%)、「利用時間を制限」(11.4%)、5位が「スマホを持たせていない」(10.2%)でした。やはり中学・高校生からスマホを持つという子どもが多いのでしょう。
大学生は「利用料を子ども自身のお金(お小遣いなど)から支払わせている」(8.7%)が2位で、その他の時間・時刻・環境制限はすべて2.2%、小・中高校生にはない「データ容量の上限を決めている」(2.2%)も挙がっています。
ちなみに筆者の子どもへの対策は「スマホを持たせていない」です。対策というより先延ばしにしているという感覚で、正しい使い方を教えながら、持たせざるを得ないとは思っています。
大人でも、やるべきことが出来ず中毒になってしまう人がいるくらいなので、子どもとなれば尚更です。やはりこうした細かい制限は必要になってくるでしょう。スマホが悪いのではなく、振り回されてしまう人間がよくないのですが。