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シャンパンだと思ったら「スパークリングワイン」、海外で訴訟に発展…法的問題は?

2017年11月16日 10:02  弁護士ドットコム

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カナダ人男性が休暇をキューバで過ごそうと、ケベックから飛行機に乗り、優雅にシャンパンで乾杯した……はずが、スパークリングワインだったことから、訴訟にまで発展しています。BBCが10月18日に報じたニュースによると、男性はシャンパンが無料でサービスされると宣伝されていた飛行機に乗ったといい、男性の代理人弁護士はスパークリングワインを提供したことは、誇大広告で消費者を騙す行為だと問題視しています。


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シャンパンとは、フランス・シャンパーニュ地方で作られ、フランスのワインに関する法律の条件を満たしたものだけ名乗るのを許されたスパークリングワイン。その他のスパークリングワインが1000円前後から販売されるのに対し、シャンパンは数千円から数万円と高額となっています。


もし、日本でスパークリングワインをシャンパンと偽装した場合、どのような責任が問われるのでしょうか。一藤剛志弁護士に聞きました。


●「景品表示法」に違反した場合は、消費者庁から「措置命令」


国内ではどのような法律に触れる可能性があるのでしょうか?


「景品表示法4条1項1号は、商品等の品質、規格、内容について、実際のものより著しく優良であると示して、不当に顧客を誘引し、消費者の選択を阻害するおそれのある表示を行ってはならないと定めています。


本件では、『シャンパン』との表示から、消費者はフランスのシャンパーニュ地方において厳しい基準をクリアして製造された発泡性のワインだと思い、普通のスパークリングワインと比較して高級感が期待できると考えるでしょう。



このため、通常のスパークリングワインを提供しているにもかかわらず、『シャンパン』と表示することは、実際のものと異なる表示をしていることになり、景品表示法に違反する行為といえます。


景品表示法違反行為を行った場合には、消費者庁はその事業者に対し、不当表示により消費者に与えた誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反行為を行わないことなどを命ずる『措置命令』を行います」


日本でも似たような事例があるのでしょうか。


「実際に、日本でも2013年に大手ホテルや百貨店で食材の偽装が相次いで発覚した際、あるホテルの結婚披露宴メニューで、スパークリングワインをシャンパンと偽っていたことが明らかとなりました。


消費者庁は、同ホテルの運営会社に対し、景品表示法に基づく措置命令を出し、不当表示であったことを消費者に周知徹底させることや再発防止措置を講じること等を命じました。また、これを受けて同社は、これらの措置命令に従うとともに、その表示のプランで婚礼を行った2400件余りに対して一定額の返金を行う旨表明しました。


このように、消費者の判断を誤らせる不当表示に対しては極めて重い責任が課せられているといえます」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
一藤 剛志(いちふじ・つよし)弁護士
東京多摩地域を中心に一般民事、中小企業法務、家事、刑事など幅広く扱う。弁護士会多摩支部広報委員会、中小企業プロジェクトチーム、ITに関するワーキンググループ、公益社団法人立川法人会 監事

事務所名:弁護士法人TNLAW支所立川ニアレスト法律事務所
事務所URL:http://www.tn-law.jp/tachikawa/index.html