元F1ドライバーで現在はSkyのコメンテーターを務めるマーティン・ブランドルは、F1は正しいレギュレーションのもとでチーム間の格差を是正する時期にあるとし、そうしなければ消滅の危機に瀕するだろうと述べている。
F1は、現行のレギュレーションシステムが効力を失う2021年以降の道筋を定めようとしている。しかしF1上層部から提示された最新のエンジンルール案に対し、一部のチームはすでに異議を唱えている。
ブランドルはグランプリ後にSky Sportsに掲載される自身のコラムのなかで、F1の将来において何が危機に瀕しているのかについて、各チームがしっかりと把握しているだろうかと疑問を呈した。また、競争の場を完全に公平にするようF1オーナーに促している。
「チームは自衛する必要がある。なぜなら、ひどく高価なマシンが3つのクラスに分かれたような状態でグリッドに並んでいるような頼りない状態では、消滅に向かうだけだ。彼らはそのことを自覚していないように見える」とブランドルは語り、以下のように続けた。
「少なくとも、対等に競い合える24台のマシンが12チームから出るべきだ。すべてのチームは継続的に利益を出し、価値のあるフランチャイズを構築できるようにすべきなのだ。そのために十分な資金なら、すでに今のシステムにあるはずだ」
「もっと簡単に説明しよう。目にも耳にもインパクトがあり、対等にバトルできる24台のF1マシンを、最速かつ勇敢な若いドライバーたちにあてがえば、コースサイドには大勢のファンや観客が詰めかけるだろう」
「道具はあるのだから、活用してもらいたいね」
振り返ると、2009年にバーニー・エクレストンとマックス・モズレーの時代が終焉して以来、F1ではマニュファクチャラーが存在感と影響力を高めただけだったとブランドルは考えている。
「バーニーがマックス・モズレーを彼の体制から失ってからというもの、チームや、特にマニュファクチャラーの力が強くなりすぎてしまった。今日のF1は、変化の激しいメディアやスポーツ、技術の世界において必要のある取り組みをしておらず、将来性があるとはとても言えない状況にある」
「競争を公平にし、F1に健全な財政を実現する正しい内容のレギュレーションを作り上げるときだ。裕福な若者ではなく、速いドライバーがすべてのシートを占めるようにし、象徴的で歴史のあるサーキットを使いつつ、アクセスしやすくドラマチックな新しい会場も取り入れるようにするんだ」
「そして、ファンが納得できる金額で運営することだ」