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ヤマト、年末のパートドライバー時給を一部で2000円に 深刻化する運輸業の人手不足

2017年11月15日 14:31  キャリコネニュース

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ヤマト運輸が年末の荷物量増加と人手不足に対応するため、パートドライバーを、一部地域で時給2000円で募集していることが分かった。同社広報によると、神奈川県と愛知県の一部宅急便センターで時給2000円の求人を出している。

週3日から勤務可能、1日あたりの労働時間は6時間

同社の人材募集サイトを見ると、神奈川主管支店で、時給1600円から2000円のドライバー募集が掲載されている。週3日から勤務可能で、8時~14時が1600円、14時~21時の時間帯が2000円。実働時間は6時間で、場合によっては1時間ほどの残業が発生する。

普通自動車免許を取得して1年以上であれば、未経験者も応募が可能。AT限定でも問題ないとのことだ。仕事内容は「自動車にて宅急便を利用されるお客様を訪問し、配達・集荷を行います」とある。

愛知県でも、名古屋主管支店の七宝支店で、時給1790円~2100円のドライバー募集があった。13時~21時が1790円、18時~21時が2100円だという。仕事内容や応募条件は神奈川主管支店とほぼ同じだが、勤務は週4日以上、一日3時間から可能だという。

募集サイト内で時給2000円を超える求人は多くないが、1600~1800円の比較的高額な時給での募集は多数見つけることができる。

ECサイトの普及で荷物が急増、10月には27年ぶりに宅急便料金を値上げ

2000円の高時給に、ネットユーザーの中には応募に意欲的な様子も見られている。ただ一方で、「それほど大変な作業ってことですよね」「まだまだ安い気がする」など、負担と釣り合っているのか怪しむ声も多い。「そこまで上げないと集まらないのか、上げても集まらないのか、大変ですね」と、人手不足の深刻さを噛みしめる人もいた。

帝国データバンクが今年7月に発表した調査によると、2017年上半期に人員確保を理由に倒産した企業は49件だった。人手不足を理由にした倒産件数が40件を超えたのは調査を開始した2013年以来初めてだ。

特に、運輸・通信業での倒産が目立つ。2016年下半期と比較した人手不足による倒産件数増加率はプラス133.3%で、小売業と並び、他の業種の中で最も多くなっている。ドライバーの高齢化や、ネット通販の普及による輸送荷物の急激な増加などが負担になっていると見られる。

倒産の多くは小規模企業だが、大規模企業でも人手不足の影響は避けられない。ヤマト運輸は6月から、人手不足への対応とドライバーの負担軽減のため、配達時間の指定枠を一部廃止した。10月1日には27年ぶりに宅急便料金を値上げしている。

キャリコネニュースではヤマト運輸に、今回の高額時給でのパートドライバーの募集について聞いたが、

「一部の地域で募集していることは事実ですが、全体的な傾向ではないので、コメントは控えさせていただきます」

との回答だった。